風の旅人★原田圭一さん 2004年8月11日(水曜日) 〜
▼バックナンバー
第一巻;2003年7月13日〜9月20日第二巻;2003年9月25日〜04年1月24日 第三巻;2004年2月1日〜04年10月2日 ▼2004年夏 ★ 姫路〜北海道 風の旅人親子 北海道バイクツーリング2004夏! 第四巻;2004年7月14日 |
『風の旅人★エッセイ』
<〜第六章までの御話〜> 毎年、夏の親子(父と息子)北海道バイクツーリングに向けて準備を進めていた7月中頃、私の元へ届いた在る一通のEメール。差出人は北海道の友人からで、その内容は「カミキリムシを生きた間々捕まえて直接北海道まで届けて欲しい」と記されていたから、さぁ、大変!(笑)。そう言いつつも、旅立ちの日までに楽々達成出来ると思って引き受けたら、以外にカミキリムシを捕まえる事が出来ず、無常にも時間は過ぎて旅立ちの日まで残り2日と迫ったある日、捕獲協力を頼んでいた会社同僚等の助けを得て「キボシカミキリ」を漸く一匹ゲット!更に、旅立ち当日に4匹追加ゲットに成功する。虫を快適(?)に輸送する手段も編み出した私は、全ての旅準備を終えて自宅を出発。京都府舞鶴港から新日本海フェリーの舞鶴⇔小樽航路便に乗船し、20時間の船旅後、無事小樽の地を踏む。カミキリムシが思っていた以上(?)に元気な姿で北海道へ持ち込めた事に驚きながらも素直に喜び、小樽の宿泊先ホテルで一泊。次の日の朝、いよいよキボシカミキリをお届けする「本番」の旅がスタート!幸い天候にも恵まれ、快調に北の大地を「爆走(笑)」した私達は、沼田町の久保商店(米工房)を訪れ、見事指令を果たす事に「成功」する(笑)。旅の「おまけ」的仕事を達成した私達は、本来の北海道ツーリングへと戻り、旭川市を東へ通り抜け、先の上川町で美味な「上川ラーメン」を堪能。北海道ツーリングを引き立てる、ゲーム要素を盛り込んだ各種イベントもスタートし、旅の主役は「キボシカミキリ」から私達自身に返り咲き〜♪ 三国峠、白樺並木が続く糠平国道を通って深い森を抜け、広大な十勝平野へ駆けて出して行く。来月、日本で初開催される「世界ラリー選手権」の舞台、そして今宵の宿地「帯広」を目指す私達。そこには、今から2年前にインターネットを介して知り合いになった老舗パン屋『ますやパン』が在った。その時から今日に至るまでのますやパンとの交流を過去のツーリングと共に振り返りながら、バイクは一路、ますや本店へ近付いて行く。そして、一年ぶりに老舗のご一同と再会後、彼等との楽しい「集い」は舞台を移しながら夜遅くまで続いて行った。忘れられない思い出と成って・・・・。 翌日、ふく井ホテルの見事に日差しを遮断する厚地カーテンの御蔭(?)で、夜が明けた帯広の様子に気付かず心地好い夢の住人を楽しんでいた私達を現世に引き戻した一通の携帯メール・・・。それは、ますやパン本店で帯広を去る私達親子と別れの挨拶をする為に、私達の来店を待っていた杉山社長から『午前8時18分』の『今』送られたものだった?!自ら本店営業開始時刻(午前8時)に合わせて来店し、帯広を去る挨拶をすると伝えて措きながら結局約束した時間より1時間半遅れでの来店と、大失態を演じてしまった私達(恥)。大笑いで老舗一同に迎えられたので、内心ホッとしながら、名残惜しむように皆さんに見送られつつ帯広を旅発って行きました・・・。 当初の予定より2時間遅れの出発となってしまった8月10日の北海道バイクツーリング。「阿寒湖」「開陽台展望台」「知床半島」と順に巡るこの日のスケジュールを考えながら、思わしくない進行方向の天気も気に成りつつ、バイクは一路、最初の目的地「阿寒湖」へと近付いて行く。すれ違う多くのライダーやチャリーダー達と「ピースサイン!」を交わしながら、阿寒湖に辿り着いた私達は、更に奥の北海道最大のアイヌ部落「阿寒湖アイヌコタン」へ。今から三年前に初めて此処へ訪れた当時頃のツーリングを振り返りながら昼食と御土産選びを楽しんだ後に、ツーリングを再開して次なる目的地を目指し始めましたが・・・。遂に天候が悪化して、昨日に引き続いての雨天ツーリングとなる。幸いペースは落ちずに走りきって、無事「開陽台展望台」へ辿り着く私達。しかし、地球が丸くみえるが売りの風景も、雨と霧が広がる天候では望みようも無く、消化不良の思いを残してしまいましたが、色々楽しい旅のアイテム(特製フラッグや限定キティ)を次々ゲット出来た御蔭で機嫌も一気に良くなった私(笑)。今朝の寝坊による時間ロスを此処までのツーリングで回復出来なかった私達は知床半島行きを断念!そこから、本日の宿「網走」を目指して、残り百数十キロの距離を雨と格闘しながら激走して行く!途中、小清水原生花園を見ながら休憩中に北海道の定番おやつ「ソフトクリーム」をゲットして栄養補給も欠かさない親子ライダー!(笑)。しつこい雨からも開放されて気分も良くなった私達は一気に残った距離をワープ加速!宿へと辿り着くのでありました・・・・。 では、その後の私達はと言いますと・・・。 第七章「〜北海道カミキリムシ同好会発足?!〜」の始まりです♪
<〜今日は普段通りに目覚めたけれど〜> 昨夜頂いた『お風呂』と『夕食(特に一人一杯の毛蟹が美味でした)』の御蔭で、心地好い眠りに付いた私(笑)は、夜明けと共に窓から射し込んで来た明るさで「スー」と自然に目が開きました。枕元に置いていた携帯電話のデジタル時計を見ると午前6時丁度。そう、普段は大体コレ位で目覚めているもんね。昨日、ちょっと(?)ミスっただけやん(笑)。こう言う台詞を吐いていたら「昨日の朝の遅刻騒動を反省してないだろー!」ってツッコミが有りそうやわ。勿論、心から深く反省しておりますよ(T_T)・・・。 窓際のベットで就寝中のオヤジを起こさない様に気を付けながら、そっとカーテンを捲って外の様子を覗いて見た。すると・・・・。 「嗚呼、今日は朝から雨かよ・・・(>_<)」 夜が明けた割には、窓辺から伝わってくる日の光が弱くて薄暗い感じがしていた私。嫌な予感が働きつつ外の景色を眺めてみたら、嗚呼、思った通りって感じさ(泣)。言葉に出した覚えは無かったけれど、思わず愚痴ってしまっていたらしく、その声でオヤジさんが目を覚ましました。そして、同じ様に窓辺に立って外の景色を眺めた。網走ロイヤルホテル6階の宿泊部屋からは、表の国道を行き交う人や車とバイクの流れ、私達のバイクの様子が伺えた。雨は、昨晩から振り出したそうで、今日一日、網走を含む道東方面は天気が優れないと目覚めた序でにスイッチを入れたテレビの天気予報が伝えていた。明日からは爽やかな夏の青空が戻ってくると、テレビの気象予報士が最後に語ったコメントに『遅過ぎるわー!ボケー!』って親子同時に叫んで、ツッコミを入れちゃいました!(笑) こんな感じで、相変わらず騒々しい親子では御座いましたが『今日』は何時も通りに目覚められたお陰で慌てる事無く、午前7時過ぎには全ての出立準備を終えて美味しい朝食タイムと成りました。昨日の朝食はゆっくりと味わう余裕が無かったから、余計に今日の朝食が美味しく感じちゃうわ♪(アホ)。昨晩の夕食会場と同じホテル1階のレストランで朝食バイキング。ご飯もオカズもタップリと頂きました♪そして、何と言っても、北海道に来たら毎日欠かさず(普段、家の朝食でも飲んでいるけど)摂取するのが『牛乳』っす♪それも、行く先々で味わえる地元産の新鮮牛乳(成分無調整の濃厚な口当たりの品)がね。普段、出勤前に飲んでいるのは生乳100%使用の『低脂肪乳』なんですけど、コチラに来れば、そのままの美味しい風味を頂きたいですやん♪(笑)。バイキングのドリンクコーナーに置かれていた牛乳入りのピッチャー容器を「ガシ!」と掴み、出来るだけ大きなコップを選んでタップリと注ぐ。そして、その場で腰に手を当て「ゴキュ!ゴキュ!ゴキュ!」と心地良い喉越し音を響かせながら一気に飲み干す!(笑) 『ぷはぁー!美味しかったわぁー!(ドアホ)』 さて、もう一杯♪(未だ飲む気かオマエわぁ?!) 二杯目を注ごうとしたところへ「コツン!」と誰かが私の頭を小突いた。振り返ってみたら、朝食を終えて席を立ってきたオヤジさんでした。一言も発さず、ただ「それ以上飲んだら腹の調子を崩すぞ!」と鋭い眼光で諭されたので、ションボリして其の場を立ち去って行く私でした・・・(T_T) 朝食後にチェックアウトの手続きも済ませた私達は、先の荷物積み込み作業時に準備して措いた雨合羽をホテル内で装着。そして、バイクの元へと戻って行く。昨日、こちらに到着した時点では、ライダーの泊まり客は私達しか居ませんでしたが、その後、夜遅くに到着したらしく、国産や外車を含めて「道外ナンバー」のバイクが3台。私達親子のバイクを取り囲むように駐輪していました。 宿泊先で偶然出会うライダー同士の交流ってのも結構楽しくってさ♪今までも、それで交流の和が広がっていったもんね♪特に、北海道へツーリングにやってくるライダーは真面目と言うか、見た目はヤンキー(笑)でも礼儀正しく愉快で楽しい奴が多い。今回は、残念ながら同じ宿を取った彼らと接触を図る事が出来ませんでしたが、機会が在れば、躊躇せずに人と触れ合って行くのが私の基本。否、私達の基本だね! 屋外に駐輪していたので、昨日の昼から冷たい雨に打たれっぱなしの愛馬達。道東の舗装路は、農地を行き来する重機やダンプトラックのお陰で、畑や農地の泥が何時も散乱していた。更に降り注ぐ雨が泥を溶かし、車の轍に泥水の水溜まりを作り出す。そんな中を走り続けた為か、私のZZ−R1100D6も、オヤジのソフィテールデュースも、自宅を旅立った頃の輝きを失って『道東の酪農カラー』にペイントされちゃったわ・・・・(T_T) 「(お互いの)バイクが汚れたのう・・・」 オヤジさんがシートの汚れと水気をタオルで拭き取りながら溜息交じりに語る。ホンマにねって相槌を打ちながら、同じ様に私もZZ−Rのシートと燃料タンク上面の汚れを拭き取る。御免なぁ、実家に帰ったら奇麗にしてやるから辛抱してや。雨脚は然程強くないけど気温は涼しさを通り越して寒い(辛)。関西の噎せ返る様な熱い夏が恋しくなりそうやわ(笑)。そんな呟きをヘルメットのシールド越しに発しながら、私達は午前8時前に網走ロイヤルホテルを旅立って行きました♪ 今日は、何と言っても沼田町の『米工房 久保商店』に辿り着くのがイチバンの目的♪それ以外では、特に大きなイベントって無いね(笑)。誤解の無い様に言って措くけれど、例のフラッグやスタンプとか、そう言った「継続中」のイベントとは全く別の話ですから。まぁ、突然振って沸いた様な出来事に出会うのが旅の良いところ(^-^)。思い掛けない巡り合いなどを期待したいところやけれど、『今』、一番私達が望んでいるのが天候回復!(笑)。頼むから、この鬱陶しい雨と曇り空から開放してくれーー!(T_T) 先ずは、ホテルからJR網走駅前の交差点まで戻った後に右折して、R238を西へ進む。数キロ進んだところで、R39との交差点を左折。網走湖を右手に見ながら女満別方面へと進んで行く。この辺一帯は、2001年と2002年、二年連続で過去訪れた地。「あの時は快晴だったけどなぁ(笑)」ってボヤッキーな発言が不味かったのか、網走湖畔の国道へ入った途端に「ドバー!」と大粒の雨が降り出してきたぁーー!(泣)。親子共々、大幅なペースダウンですわ・・・。女満別へ進むほど天候は悪化しそうやけれど、其処までは行かずに途中から私達は来た道を「Uターン」しますから♪「エッ?如何してなの?」って皆さん思うでしょう。ふふふ、まぁ、焦らずに後の展開を見ていて下さいなぁ♪(^-^) この時期、網走湖畔では訪れた多くのライダー達がテントを張ってキャンプを楽しんでいる光景が見られます。今の時間帯(午前8時前後)は、目覚めたライダー達が朝食を楽しんでいるところなんですけど・・・・。ありゃー、今まで雨が上がっていたのか知らないけれど、外で朝食の準備をしていたライダー達が、急な大雨に驚いて火に掛けていた鍋を大急ぎでテント内に持ち込もうとしている姿が・・・あ、コケた(笑)。アララ、折角作った朝食のラーメンを「北の大地」に食べさせちゃったよ(笑)。ライダーの彼、其の場で固まって凹んでいるわ(笑)。 何気に網走湖畔のキャンプ場前で立ち止まった際に、偶々目撃してしまった『天然コント劇場♪』(笑)。長雨続きで朝からウンザリさせられていたところへ、人の不幸を笑っちゃ駄目と知りつつも、思いっきり腹の底から爆笑させて頂いたので気持ちが軽くなりました(^-^) キャンプ場を離れて先へ進むと「網走監獄」へと案内する標識が現れた。進行方向左手のJR石北本線の踏み切りを渡って、山手の道を進んだ中に在る網走観光の目玉ですね(^-^)。こちらも、3年前の『快晴な御天気ツーリング(笑)』で訪れました。昔、実際に使われていた刑務所施設を、この場所に移築して一般に公開していると教えて頂きました。元の場所には、新しい庁舎が建てられて、現在も網走刑務所として使用されていると事。ハァ、こう言った場所には御厄介にならない様に皆様、真っ当な人生を歩んで参りましょうね(笑)。ええ、観光で訪れるだけで十分ですから〜♪ R39(国道)から踏み切りを渡って網走監獄へと進み掛けたら直ぐの右手に、ログハウスの小さな御店が在ります♪『やまね工房』と言ってね、北の大地に住む動物等をモチーフに、手作りの可愛い縫いぐるみ達が一杯売られています。3年前のツーリングで、この地を訪れる前にJTB発行「るるぶマップ」で上記の御店情報を得ていた私。当時、御当地キティには手を出していませんでしたし(笑)、別に縫いぐるみ愛好家って訳でも無かったけれど、折角、網走に初めて行くのだから時間が許す限りで足を運べるところは行ってみようって事でオヤジを説得。網走監獄を見学した帰りに立ち寄ってみたのです。この御店との出会いが、私を縫いぐるみ好きに変え、後に『御当地キティ収集家』へ歩ませる切っ掛けとなったのではと最近思うようになりました・・・・(笑)。 可愛い店舗内とは明らかに不釣り合いなオッサン二人(笑)で陳列してある縫いぐるみを見て回っていた時、バケットに入った『えぞふくろうのひな』と書かれた縫いぐるみの集団に目が止まった。そして、言葉を発さずに中の『一羽』を手に取りレジに向かって精算完了!(笑)。そう、一目ボレしちゃったのさ♪えぞふくろうのつぶらな瞳が「買って欲しいなぁ」と訴えかけていたんやもん!(呆)。手の広より、少し大きい縫いぐるみ。先に御店の外へ出て、私が出てくるのを待っていたオヤジには当初「縫いぐるみを買うつもりは無いから、見に行くだけだよ」って言っていた私。でも、現実は・・・・(笑)。嬉しそうに、買った包みを下げて出てくる私を見たオヤジの呆れ顔が見物でした(^-^)。その後に気付いたのですが、買った縫いぐるみの包みを収納出来るスペースが当時使用していたツーリングバックに無く、無理矢理詰め込んだりすれば折角の縫いぐるみが潰れてしまう憂き目に・・・・(T_T)。「やまね工房から(宅配で自宅へ)送って貰ったら如何やねん?」とオヤジ様が最もな御意見を述べましたが、買い物袋から顔を出していたえぞふくろうの顔を再び見た時に「コイツと一緒に旅をしたい!」とドアホな衝動に駆られ、結局、この夏のツーリングが終了するまでの間、ZZ−Rのハンドル・バーに買い物袋ごと括り付けて共に北海道各地を転々と巡って参りました(笑)。途中、知床半島縦断中に風に舞って、コヤツが『逃走』を図るハプニングが生じましたが、オヤジがその事に逸早く気付き、Uターンして『捕獲』致しましたぁーー!(爆笑) 今年は『網走監獄』も『やまね工房』も立ち寄りませんから通過致します。ウッ、本当の事を言えば、やまね工房だけは立ち寄りたかったんだけどね(笑)。こんな天気で、オヤジさんに小回りしろとは言えないし、ハァ、残念やわ・・・(T_T)。でも、良いもんね♪雨に耐えながら此方へ進んで来た本当の目的が直ぐに分かるから。そこから湖と山裾に挟まれた狭い空間を更に進むと、少し左右に開けた場所へ出て来た。重機や自動車販売店が立ち並ぶ通りに、一軒の小さなジンギスカン屋が在ります。その前でバイクを停めて、御店へ向かって歩いて行った私。そして・・・・。 『御免下さいー!レッドバロン網走フラッグを貰いに来ましたー!』 表の引き戸を開けて、御店へと入った私は中に向かってそう声を掛けた。でも、誰も居ないぞ?何回も大声で呼んでいるのに店の奥からも反応が返って来ない・・・・。目の前に緑色生地に白文字で「04網走」と書かれたフラッグの束が筒に入って置いて在るけれど、御店の人に断りも無しに持って行くのは泥棒と同じ行為だから絶対に出来ない!(辛)。如何しようか困ってしまった私は、表で待つオヤジさんに相談しようと一旦御店の外へ出た時に、窓ガラスの外側に張られていた一枚の張り紙に気付いた。「営業時間外にフラッグポイント(イベント協賛店)へ御来店のお客様(ライダー)は、このフラッグ引換券を持って行って下さい。北海道ツーリング途中で道内のレッドバロンへ営業時間中に立ち寄って頂いたら、引換券に書かれた(例;04網走と明記)フラッグを引換券と交換で差し上げます」と書かれていて、張り紙には引換券が入った子袋も付いていた。「夜中や早朝に走って辿り着く輩も中には大勢いるだろうから、そんな連中に不自由な思いを感じさせない為の措置なんやな」と、隣で一緒に張り紙を眺めていたオヤジは言った。なるほどね、気が利くじゃん♪今日は沼田町へ戻る過程で旭川市を通過する。ここに「レッドバロン旭川店」が在るから、時間に余裕が在れば、フラッグを貰いに寄っても良いしね。今日が無理でも、明日の北海道ツーリング最終日に帰りのフェリーが出る小樽港へ戻る間で、札幌市内か小樽市内に在るレッドバロンに寄れば済む事じゃん。そうと分かれば話は早い。親子共々、引換券を一枚づつ手に取り、再びバイクを始動させて来た道を戻って行った・・・・。 先ほど訪問した御店は滝川市に本店を構えるジンギスカン料理の老舗『松尾ジンギスカン』の呼人支店。我ら親子が本場のジンギスカンを北海道に来て初めて食した記念すべき場所なのであります!(^-^)。関西には、本場とは似ても似つかないデタラメなジンギスカンを食わせる御店が多くてねぇ・・・。「適当に処理した羊肉を焼いて食わせりゃ、ジンギスカンが成立すると思っているんじゃないの?!」と言いたい訳っすよ。「チョッちゃんラム肉」を腹一杯食べられて幸せでした♪正に、ご飯の友って感じ♪こんな美味しい食文化が在る北海道って素晴らしいところですわ〜♪(大歓喜) 朝食もタップリと胃袋に仕込み終えた直後だったし、何より御店が朝早くて営業時間外だったから、美味しいジンギスカンも『断腸の思い』で諦めました・・・・(T_T) <〜サロマ湖で、3日ぶりの再会♪〜> 先ほどの交差点まで戻ってきた私達は、其処を左折してR238へルート変更。進行方向左手の網走湖に別れを告げたら、次は右手に「能取湖」と忙しなく変化して行く景色の中で、変わらないとすれば天気位と言うものさ(笑)。もう、相変わらずボヤッキーが収まらない私。雨脚は随分弱まってきたけれど、視界が悪くて如何にもならないと言った感じ・・・。『サンゴ草の群棲地』として名高い湖畔へ久しぶりに訪れたって言うのに、こんな天気では旅の必須アイテムたる「デジタルカメラ」や「デジタルビデオカメラ」の出番も無いじゃんって、ちょっとブルーな気分を滲ませながら能取湖畔の『オホーツク国道(R238)』を進み始めたら、左手に「ホクレンのガソリンスタンド」(以後、ホクレンSSと表記)が近付いて来た♪バイクの燃料計を見てみると、ガソリン残量を示す針が「F(満タンの位置・右側)」から「R(残量無し・左側)」へ移動していた。そう言えば、昨日、弟子屈町のホクレンで給油してから此処まで一度も給油してなかったな。そろそろ、愛馬達にも御飯を食べさせてあげないと、スト(ガス欠)を起こしかねないわ(笑)。ご主人様達だけに好い思いをさせるのは不公平だもんね♪(^-^) 私の前を先行して走っていたオヤジが『ホクレン卯原内SS』手前で減速しつつ、私に振り向き「給油するのか?」と手で意思確認のサインを送って来たので「給油するよ!」とスタンドに入るサインを返す。「コクリ」と頷き返したオヤジは「ズドドドドーーー!」と自身のバイクが巻き上げる水飛沫の音を掻き消す加速音を周囲に拡散しながら、豪快に入店して行った。それにピッタリと歩調を合わせる様に、私もアクセルを握る右手首を反して「ブオオオォォォオオオオンーーー!」と対照的な加速音を天に響かせながら後に続いて入店して行きました〜♪ 『いらっしゃいませ♪どうぞこちらへ♪』 一台の給油機を挟んで仲良く「父」「息子」の順番で給油を開始しましたが、我等親子が、ここを訪れてイチバン気に成る事と言えば・・・(笑)。私が店員の方に訪ねようと思った矢先、給油を先に終えたオヤジ様が「旗(ホクレンフラッグ)とスタンプシートは在るんか?」と『直球』な質問を繰り出した(笑)。先の「値引き談」と言い、買い物に絡んだ事象は何時も私より先に手を打って行く人だなぁ・・・(笑)。普段は物静かで言葉少ない人なのに「元はしっかり取る!」が心情って、商人の鑑みたいな御人やわ。そんな父の姿を「ボー」と何気に眺めていたので、オヤジが何か私に向って声を掛けていた事に気付くのが一瞬遅れた・・・・。 『オイ!聞いてるんか?!旗とスタンプシートが在るって言うてはるど!』 エッ、マ、マジィィィイイイイーーー?!(驚)。ツ、遂にホクレンSSの給油スタンプラリーシートをゲットだぜー!(大歓喜)。いやぁ、長い道程やったわぁ♪今年は、この分では貰えずに実家へ帰る事に成るかもって半分諦めかけていたから、めっちゃくちゃ嬉しいぜ!(^-^)。それに、前回の給油で貰い損ねたホクレン道東フラッグもゲット出来たし、うーん、言う事無し♪上機嫌で御店の方に御礼を言って、彼等に見送られながら親子共々軽い足取りでホクレン卯原内SSを後にしました♪ 旅運が良い方向へ流れを変え始めた気がする。その証拠に能取湖を離れ、網走市から常呂町へと移ったところで冷たい雨からも開放された私達。進行方向の道路もベタベタに濡れた状態から『サロマ湖』へ近付くまでに完全なドライ路面へ。コンディションの良くなった直線路や高速コーナーを豪快に加速して行く鋼鉄の愛馬達!そんな彼等が放つ咆哮(排気音)は、本当の馬が放つ其れと違って偽りの『声』かも知れない。でも、乗り手の意思を明確に感じ取り、馬以上に「人馬一体」となって大地を共に駆ける彼等(バイク)の姿に嘘偽りは無い!騎手たるライダーが誤った操作を行わない限り、彼等は私達を行きたいと願う場所へ導いてくれる。行きたいと願う場所までの道程を、楽しい思い出に変えてくれるんだ。走る為に生まれてきたのは、馬もバイクも同じだと私は思う。バイクなんて所詮、人間が生み出した効率の良い機械に過ぎないって言う人も確かにいるよ。でもね、エンジンに火を灯して鼓動を刻む彼等に、共に同じ時を歩みながら旅の思い出を刻み続ける彼等には、熱い魂が宿っていると感じています。どれだけ科学が進歩しようとも、自動運転が身近に迫ってきた車と違って『人間』と言う不安定なファクターが存在しなければ走りが成立しないのがバイクと言う乗り物。人間と言う乗り手、ライダーがバランサーとしての役割を果たしながら、人の感性に頼って操る乗物で在るのは、百年以上も前にバイクが誕生した頃と何も変わっていない事実さ。バイクの事を「鋼鉄の馬」と例えるのは、バイクが馬を越える存在として人に求められて生み出されたから。「馬より早く」「馬よりタフに」「馬より強く」ってね。そんな人の飽くなき拘りが今日への進歩を生み出していったって御話(^-^)。さてと、肩の凝る御話はコレ位でやめときましょうか♪メカに弱いエッセイ読者が、結構引いてそうな気がしてきもんね・・・(笑) 常呂町から佐呂間町へと移って行く。空は厚い雲に覆われていた間々だったけれど、時間の経過と共に空の明るさが増して来た様に思うし、何より雨が上がってくれた事が嬉しい。周りの景色を眺めながら走る余裕も戻って来たんで、オホーツク国道沿いの風景を楽しんで行く私達♪佐呂間町と言えば、何と言っても『サロマ湖』で、オマケに湖で養殖している『ホタテ』や『牡蠣』が超有名な訳で・・・(笑)。湖畔の国道沿いには、これらを売り物にする土産物店が点在していた。胃袋をそそられる話やけれど、一軒一軒立ち止まっていたら切りが無いし、3年前のツーリングで一度走った事のあるコースなので、ハッキリ行って新鮮味は然程無かった。それに、サロマ湖近辺で此処から先は立ち寄る場所も的を絞っていた私達。では、順番に片付けて行きますかー! 『ホタテバーガー』って、新鮮なホタテのフライを具材したのが人気商品(1個300円)で有名な『北勝水産』の前を通過して2キロほど進むと道の駅『サロマ湖』が現れた。先ず、ここから始めますね。道の駅ってだけで、無条件で立ち寄りますけどね(笑)。親子共々、先に訪れていたライダー達の中に分け入ってバイクを駐輪。「おはよう御座います♪」「こんにちは♪」とライダー同士で挨拶を交わしながら、スタンプブックと撮影機材一式を携えて道の駅の施設内へ突入!道の駅スタンプ「サロマ湖」をゲットするまでの流れを「動画」で撮影する事に成功する(笑)。その後、施設の表へ出たところで、美味しい匂いを周囲に漂わせながらサロマ湖特産のホタテを貝殻ごと焼いて売る露店に遭遇!モチロン、親子共々素通りせずに即ゲット!(笑)。 『ワォー!めっちゃくちゃ美味―!まいうー!(笑)』 もう、美味過ぎてたまらないわ(^-^)。糞、スッゲー酒が欲しくなる味やでぇ♪「オイ!誰かオレにビール持って来い!」って叫びたくなりました(笑)。ホタテの貝殻一枚を器にホタテの剥き身を二個入れて炭火の金網に載せ、上から醤油を一掛けして焙り焼きにしただけの単純な料理なのに、何でこんなに美味いんだろう・・・。やっぱり、北海道って好いわぁ・・・(笑)。ホンマに食の宝庫やね♪もう、私の財布の紐は緩みっぱなしさ! 見も心も緩みきった締りの無い状態でのバイクの走行は非常に危険(笑)なので、ヘルメットを被る直前に両方の頬を「ピシャリ!」と手の平で叩いて気合を入れる私。小樽グランドホテルクラシックを出る瞬間みたいに「気合ダァー!」って叫ぶまでには至らなかったけど・・・。だって、恥ずかしいからやめろってオヤジに怒られたからさ(笑)。 「アニマル浜口は、アノ歳で堂々と叫んでいるやん!」 「オマエな、それが三十路を過ぎた男のいう事か?(呆)」 「ええねん!要は気持ちの問題よ!(笑)」 「だからって、ワシまで巻き込んで周囲の妙な視線に晒すのはやめろ」 「・・・・・(黙)」 少しだけ消化不良な気持ちを擡げながら道の駅を立ち去ろうとした午前10時過ぎ、親子揃ってバイクに跨った瞬間に「ビービー♪」とクラクションを鳴らしながら背後に近付いて来るバイクが居た。「アン?誰やねん?!」と思って振り返ってみたら、ナ、何と、3日前の夜に小樽港で別れた「ホンダ・シルバーウィング600」ってシルバーカラーの大型スクーターに乗る同郷(姫路市出身)のパンチパーマ・オヤジじゃないか!雅か、こんな広大な北の地で言い合わせた訳でも無いのに再会出来るなんて夢みたいや♪ 「いやあ、道の駅に入ってみたら、良く似た親子が居るなって思ったんや♪」 「オジサンも元気そうで良かった。ところで、どちらの方から来たの?」 「ワシは利尻へ行くって言うてたやろ?それからオホーツク海沿いに下って来たんや」 「雨は降ってなかったんけ?」 「ああ、天気はパッとせえへんかったけどな」 「残念やけど、ここから先は雨やでオジサン」 「エッ、ホンマかいな?(愕然)」 「・・・ウン(苦笑)・・・」 私達と彼が進む先は全く逆方向。北へと向う私達は彼から得た情報から雨の心配は無い。逆に私達が走ってきた網走方面へ向う彼自身は・・・、ご愁傷様です(T_T)。帰りのフェリーが私達の乗船する便より数日遅く、それだけ長く北海道に滞在する彼とはコレ以降に再会する機会は先ず無かった。同じ姫路市に住んでいながら普段出会う事なんて無いのに、旅って不思議な巡りあわせを用意してくれているんだね。そんな思いを親子で噛み締めながら、何時かまた、出会える事を約束して、私達は道の駅サロマ湖を去って行きました。・・・・(^-^) <〜道の駅・スタンプラリー2004の旅〜> サロマ湖周辺には、先の施設以外にも十数キロ単位で道の駅が点在している。R238を再び進み始めた私達は次に現れた『愛ランド湧別』、そして『かみゆうべつ温泉チューリップの湯』と立て続けてスタンプを3個もゲットする。アレだけ走った割には、たったの2個しかスタンプをゲット出来なかった昨日とは大違いさ!(驚)。ここからR242へとルート変更した私達は、オホーツク海岸線から内陸方面、山間部を抜けるコースを進む。道の駅の名に使われている事からも分るように、花の栽培に力を注いでいる地域を望みながら、湧別川沿いを駆けて行く二台のバイク♪周囲の景色も、拓けた丘陵地から谷間の渓谷と、様相を大きく変化させて行った・・・・。 上湧別町から遠軽町へと進み、ここで交差点を右折してルートをR333に変更。そこから約20キロほど進んだ先に道の駅『まるせっぷ』が在りました。木の香りが心地良い木芸品が花や農作物と一緒に沢山お土産として売られていて、訪れた私達を楽しませてくれました♪ヨシ、本日「4個目」のスタンプもゲットしたぞっと!(^-^) ホンの一時、まるせっぷで休憩した後、ツーリングを再会しようとした午前10時半に、オヤジさんと今日の昼食を何処で取るか『作戦会議』を行う私達(笑)。何を大袈裟な事をと思った貴方、それは早計と言うものですわ。関西の地から遠征して来た我等にとって、北の地で頂く一食一食が、どれほどやり直しの効かない選択肢となるか御分かりか?(笑)。食の宝庫たる地へ足を運んでいるけれど、滞在出来る日数は限られているし、訪れる場所もその日によって違う。そんな条件下で、悔いの残らない食事を得たいってのが、旅人の心情ってもんでしょう(笑)。今のペース行くと、お昼頃にはどの辺りに達しているかとオヤジ様に問われたので計算してみると・・・・。 「お昼に旭川市ってところじゃないかな」 「ふーん、それなら昼飯は何処で食う気や?」 「そうだね、旭川ラーメン村ってのは如何でしょう」 「あそこか・・・、前に塩チャーシューメンを食うたところやな」 「正解♪(笑)。前回はさいじょうって御店だったやん。今度は違う店が好いな」 「何処が好いねん?ひょっとして、行列客が多くて入るのを諦めた山頭火とか?」 「ハイ!また正解♪(笑)」 「・・・・・」 一度開き掛けた口を閉じて、私から手元の地図に視線を移したオヤジは、ある事に気が付いて再び私に尋ねてきた・・・・。 「道の駅を出て道なりに(R333→R273→R39)旭川を目指して行くなら、途中で先日入った愛山渓ドライブインの前も走る事になるんやろ?」 「モチロンさ。その事にオヤジさんも気付いたんだね(笑)」 「それなら、もう一回、ここで上川ラーメンを食わへんか?」 「エッ、マジで言ってるの?(驚)。同じ場所で二度食う事になるけれど・・・」 「ワシはアソコの塩ラーメンが気に入ったんや♪今度は大盛りで食うどー!」 「ふふふ、好いよ♪本当はオレも(通過するのを)迷っていたところだったから」 そう言う訳で、今日の昼食は再びあの御店で頂く運びとなったのでありました・・・。 <〜北海道ラーメン紀行・第二章(笑)〜> 丸瀬布町から白滝村へと入り、更に奥深い山間の峠道「北見峠」を超えて上川町へと再び舞い戻ってきた私達。標高も相当高いこの辺りは気温も低くて、夏場なのに吐く息が白く曇る。これで、雨に降られていたらと思うとゾッとするね。一発で風邪を引いていたと思うわ(笑)。それほど道幅の広くない、急カーブが連続する峠道は、普段地元で親しんでいるツーリングコース其の物って感じ。親子共々、足を置くステップペダルを地面に接地するほど車体を寝かして火花を散らしつつコーナーを攻め、昼食前の軽い運動ってノリで愛馬の走りを楽しみましたー!(^-^) R333、R273、そしてR39と山道を突き進んで今は平坦な旭川へ続く道を駆けて行る状態。もう、御飯は目の前だって思った矢先、赤い屋根に白文字で御店の名前が書かれた、スッカリ見慣れた愛しい御店がご登場〜♪斜め前を走っていたオヤジが一気に加速して先に御店の駐車場へ突入して行くぞ!(笑)。思わず苦笑を浮かべながら、私もZZ−Rを加速させて、父の背中を追って行きました♪ 『ワシは塩チャーシューメンの大盛り♪』 『私は味噌ラーメンを下さい♪』 オヤジは、前回と同じ品の大盛りをチョイス♪私は、初めての時に「醤油」、次に「塩」と来たので、三度目は「味噌味」で食べてみようと思ったのです。そして、出て来た品はと言いますと・・・・。うーん、もう、見事としか言いようの無い味っすねー!めっちゃ美味いっすーー!ハァ、今年も北海道で好いラーメン食えたどーーー!(笑) これだけ美味いラ−メンを良心的な価格で食べさせてくれる御店だって言うのに、私達が食事をしている間でも、レッドバロン・フラッグポイントでも在る此方へ足を運ぶ割には食事を取らず、フラッグだけゲットして立ち去るライダーが結構多いのが少々気になった私。オマエ等な、こちらも売上げ促進に繋がると思って、レッドバロン主催のイベントに協賛してはるんやで!誰も慈善事業で行っているんや無いねん!私らみたいにフラッグを貰った後でも、こうして、リピーターとして御店を訪れている姿を見てみろ。ホンマに、客の鑑と思わへんか?(笑)。不況で大変な北海道経済の活性化に繋がると思って、ラーメン一杯位は食って行けってぇのー!(叫) オヤジと違って大盛りをチョイスしなかったのは、二杯目のラーメンを考えたからさ。そう、二杯目に塩ラーメンを食って打ち止めとする作戦な訳っすよ♪しかし、そんな算用が甘かった現実を直ぐに思い知らされる事となった私。厨房から運ばれてきたマイ・味噌ラーメンの具沢山な事?!(驚)。「ふん!この程度(?)の量で、オレ様の胃袋がギャフンと言うもんかぁー!」と勝手に逆切れしながらパクついたところまでは勢いが有って良かった。でも、味噌ラーメンも終盤に差し掛かった頃には・・・、撃沈!(爆)。二杯目の夢は、呆気なく散って行きました・・・・(T_T) アホな漫談はコレ位で措いといて、うーん、幸せな昼の一時でした。 <〜そして沼田町、久保商店へ〜> 午後1時過ぎに愛山渓ドライブインを出た私達は、3日前に通ったコースを逆走しながら沼田町へと近付いて行く。御店から十数キロ走った右手に在る「ホクレン愛別SS」で本日2回目の給油。ホクレン卯原内SSに続いて、ホクレン「道北フラッグ」1本と給油スタンプをゲットー!イエーイ♪初日のホクレン沼田SS以来、2本目の道北フラッグさ♪今日は、ホンマにラッキーやー!(^-^) 昨日の不順な天気や期待のアイテムを貰い損ねた不運が嘘の様な旅の展開!曇り空も、次第に晴れ間が覗く様に成り、西へ西へと駆けて行くほど良くなっている感じがする。その分、肌寒く感じていた気候が随分と蒸し暑くなってきたようではあるけどね(笑)。この辺りから振って沸いた様に交通量が増え、朝から快調に飛ばしてきた様なペースで走る事は出来なくなってしまった。旭川市に入る手前で、北海○警が姑息な(?)スピード取り締まり(通称;ネズミ取り)を行っていたしね(辛)。速度計測を行っていたおまわりさんの前を、制限速度以下の超スローペースで進みながら前を横切る直前に『敬礼』して挙げました(笑)。 今日は、この後に出てくる道の駅も先日のツーリングでラリースタンプは捺印済。沼田町までの距離も残り百キロを切れているし、騎手(ライダー)も鋼鉄の愛馬(バイク)も『燃料満タン(笑)』やから、ホクレンも今日のイベントは終了♪待てよ?レッドバロンの例のフラッグは如何しようか?時間が有れば、貰いに行くけど如何だろう・・・・。 旭川市内に入ったところで、ZZ−Rのデジタル時計を見ると「午後2時半」を過ぎていた。市内の流れの悪さや信号に良く捕まったお陰で通過に手間取り、時間が思っていた以上に経過している事が分かった。沼田町は旭川市より西へ少し離れているし、余り此処で時間を消費してしまうと、久保商店でゆっくりと御話する時間も無くなってしまぞ!ヨシ、決めた!網走フラッグは明日に『レッドバロン小樽』まで貰いに行く事にしよう。後は、ひたすら本日最後の目的地へコマを進めるのみ!(^-^) 交差点の信号待ちに捕まった時に、オヤジさんにもその旨を伝え、旭川市郊外の道へと再び出た私達は、先日、久保さんが教えてくれた地元ライダー愛用、沼田町への最短コース(復路)を楽しみました♪(笑)。連続する峠道の急カーブを巧みに消化しながら、ペダルやフレームをアスファルト路面に接地するほど火花飛ばしまくりの攻めた走りを見せる『ベテランライダー』のオヤジ様♪それに続けとばかりに「ギュイイインーー!」と高回転なエンジン音を奏でながら、先行するオヤジを追うビギナーな私とZZ−R!時々出会う、同じ進行方向の車が停まって見える位、俊敏な動きで彼らをパスして駆けて行くバイク達。残った距離は、アッと言う間に解消されて、姫路の暴れ馬達は再び静かな町を賑やかにする為に舞い戻って来ました〜♪(笑) 「こんにちはー!只今、戻って参りましたー!(五月蝿い)」 あれだけ爆音を響かせながら近付いて来れば誰だって気付くさ(笑)。再び、久保さんに迎え入れられて、久保商店へ来店したのは午後3時半の事。そこで30分ほど御話した後、我等親子は久保さんに先導されて、ある場所へと移動して行った。さて、ある場所とは何処でしょう?ふふふ、それでは話を進めて行きましょうか♪(^-^) 久保商店を出た私達は、久保さんが運転するトラックの後を追う。久保商店の裏を通るJR留萌本線の踏み切りを渡り、更に線路沿いに1キロほど北上したところの三叉路を入っていった直ぐのところに、小さな一軒のログハウスが在りました。その前にトラックは停車し、続いて後ろに私達のバイクが並ぶ・・・・。 私達がバイクから降り立った頃には、久保さんは一人、ログハウスの中へと入っていった。未だ建築途中のログハウスで、田畑に囲まれた丘陵地の小さな里山の一角に建てられているここを訪れるのは二度目。そう、昨年に初めて沼田町、久保商店を訪れた時に「ちょっと見せたい物が在るんですが」と彼が今の様に私達を導いてきたのがここだった。当時は、家の基礎が出来て、棟上げが丁度終わった位だったな。それから一年経っているのに『未完成』とは如何なものでしょうか・・・(笑)。確かに、家の概観は殆ど完成に近い状態と見えたけど、地上2階、地下1階という傾斜地に建てられた構造のログハウスと敷地を結ぶ階段等は未だ無く、作業用の板が代用に架けられていた。敷地内にも建築資材が多く置かれ、完成に向けて更に時間が掛かりそうな様子が伝わってくる。荷物からカメラを取り出し、親子共々、そんな家の姿や周囲の風景の撮影を始めた時に、ログハウスから白髪の男性が久保さんと共に現れた。 「どうも、お久しぶりです!」 彼の名は若林伸篤さん。ログハウスのオーナーさんで、年齢もオヤジさんより少し若く、初老の紳士と言った容姿がとてもソフトな印象を見る者に感じさせる方です。久保さんのご紹介で、昨年の訪問時に簡単なご挨拶をさせて頂きました。元々、沼田町ご出身では無く、ご家族や本宅は横浜だそうで、こちらは『別荘』って位置付けですね。ご自分の力だけで、出来る範囲の作業をこなしてログハウスを建てながら御一人で住まわれています。なるほどね、一人で出来る作業や一日で進められる仕事量って限界が在るし、別に商売(大工)として建築を請け負っている状況でもない。趣味でコツコツとやる分には、期限を設ける必要も無いしね。誰にも気を使わずに、費用を出来るだけ抑えて、ノンビリとログハウス作りに勤しむ日々・・・。うーん、私も是非やってみたいって思っちゃうわー♪だから一年経っても未完成って点が納得!(笑) 一年ぶりの再会の挨拶も程々に「未完成の内部(笑)」を一通り観させて頂きました。ゲストルームも製作中ですので、来年の夏に我等親子が沼田町を訪れる前までには「完成(笑)」させますから、次回は是非『ほたる館』では無くて我が家に御泊り下さいと仰って下さいました♪うーん、とってもありがたい御言葉。若林さん、ありがとう御座います。さて、今の御話の中に出てきた「ほたる館」。ほろしん温泉と言って、沼田町が運営する温泉宿泊施設名の事を言います。こちらが本日の宿で、今年の夏の北海道バイクツーリング『最後の宿泊所』なのです。沼田で宿泊する旨を久保さんに伝えた時に、こちらの宿をご紹介下さいました。ほたる館の支配人とは同級生だそうで、公私共に親しい間柄だそうです。彼的には、我ら親子を若林ログハウスへ宿泊させる「計画」だったそうで、家主もご承諾済みであったとか(笑)。私一人だけならいざ知らず、オヤジと二人で殆ど顔見知りに近い方のところへ転がり込むのは気が引けましたから、それは次回以降って事で丁重に御辞退させて頂きました(^-^) 今晩は、彼等と一緒に夕食を楽しむ約束を事前に交わしていました。この後、私達は再び久保さんに案内役をお願いして、若林邸より十キロほど北に位置するほたる館まで移動。午後6時に、彼がほたる館まで車で迎えに来てくれる事となったので、その間に私達は宿の温泉にゆっくりと浸かって旅の疲れを癒す事にしました・・・。 「へえ〜♪親子で毎年、北海道を周られているんですか♪」 ほろしん温泉ほたる湯の大浴場。湯船に肩を並べて私達親子と歓談する若林さん。ほたる館と隣接する「白樺館」内に在る温泉施設へ共に入浴しに訪れた。未だ、ログハウスのお風呂が未完成(笑)なので、こちらに滞在している間は毎日入浴に訪れているとの事。心地好い温泉に浸りながら、ほのぼのとしたトークを楽しんだ後に、若林さんとも一旦ここでお別れして宿泊部屋へ戻り約束の時間までノンビリと休憩・・・。空きっ腹を抱えながら、お出迎えの訪れを宿で待つ私達でありました・・・・。 <〜北海道カミキリムシ同好会発足?!(壱の巻)〜> 午後6時を少し過ぎた頃、私達はほたる館1階ロビーのソファに腰掛けながら、未だ姿を見せない久保さんのお迎えを待っていました。遊びに来ている私達と違って今日も忙しく仕事に追われる彼。私達の為に、若林さんも含めてご迷惑をお掛けしてしまっている気がして心苦しかった私(T_T)。何を今更って言われそうやけどね。今も、仕事が忙しくて片付かないからこそ未だ到着していなんだもの。時計の針が午後6時半を指そうとした頃に「やあ、どうも遅くなって申し訳ない!」と「米工房ハイヤー(笑)」がご登場♪さあ、いよいよ沼田の楽しい夜の始まりです。途中で若林邸にも立ち寄り、先ほど介した面々が再び勢揃いして向った先は、久保商店から程近い焼肉店『沼田大門』でした♪このメンバーだけで楽しい一夜が進んで行くと考えていた私でしたが、その予想は大きく覆される事となって行きます・・・・(笑)。 予約を入れて措いた座敷の一席に我ら親子と久保さん、若林さんの4人でテーブルを囲んで着座。適当に思うメニューを頼み、ここで未だ仕事が残っていますから少しの間だけ席を外しますと、歩いて久保商店へ戻っていった彼。一時的とは言え、三人だけの寂しい焼肉パーティー会場となった席へ、久保さんと入れ替わる様に「こんばんわ♪」とある男性が現れた。「誰?」って表情を浮かべる我ら親子と違って、親しげに挨拶を交わす若林さん。彼の正体は一体?!・・・・。 「初めまして、ほたる館の支配人を勤める畠山と申します」 久保君から良くお二人の事は聞いていますと仰いました。そうですか、貴方が久保さんの言っておられた支配人さんでしたか♪短髪に『ギョロ目』が特徴(失礼!)の畠山さん。早い話が、私達の夕食会に急遽乱入して来られたって訳ですわ(笑)。我ら親子ライダーと歓談する為にね!(^-^)。暫くして久保さんも戻って来て輪に加わり、改めて此処に集った面々と、出会えた祝杯を交わす事に・・・・。 『それでは乾杯♪』 ビールで乾杯した時に「ところで、これって如何言った繋がりの面々なんでしょう?(笑)」と何気に口にした私に向って久保さんが言った一言が、この後の展開へと繋がって行く序章ではなかったと思った私。その一言とは・・・・。 「圭一さん、もちろんカミキリムシ繋がりですよ♪(^-^)」(久保) 「マ、マジですか?!(驚)」(原田圭) 「オレも捕まえて、坂本社長に渡すつもりだよ」(畠山) そう言って彼は、ペットボトルを改造した手製の虫籠に、ほたる館周辺の森で捕獲したカミキリムシを見せてくれた・・・・。 あっちゃー、そう言う事なのねー!(>_<) 何と無く、そんな気がしていた私。そして、私に対して送られてきたメールの一件が、実は冗談だって事も判明しました(唖然)。誤解の無い様に言って措きますが、ドラールの坂本氏がカミキリムシの収集家で、色んな種類のカミキリムシを求めているって話は本当なのよ。でもね、実際に生きた間々捕獲して届けろって話は、その件に勢いで加わった「オマケ話」で在ってね。雅か本当に捕まえて届けに来る「バカ」が居るとは・・・・(笑)。ええ、居ますとも!御人好しな、関西のドアホ・ライダーがね!(T_T) 畠山さんも、そうやって忙しい仕事の合間を縫ってカミキリムシを「生捕獲&御届け」した「もう1人」の人物だったって訳さ。お互いに、ホンマご苦労様でした(笑)。スッカリ打ち解けあって話しに花が咲き始めた矢先、物静かな沼田町に似つかわしくない、地元関西では良く耳にする改造車の爆音が遠くから急速に近付いてくるのが分かった・・・。 <〜北海道カミキリムシ同好会発足?!(弐の巻)〜> 「誰やねん?五月蝿いなあ、ホンマに!(怒)」と北海道にも傍迷惑な走り屋が居るんだと、自分達の事を棚上げして措いて憮然とした態度を取る私と違って、ドンドン大きくなって(近くなって)来るエンジンの排気音に「来たぞ!」と身構える久保さん達。「如何したの?」と訪ねてみたら、意外な答えが彼等から返って来た! 「彼が来たようです!カミキリムシ捕獲依頼人が!」 エッと思ったのも束の間、私達が居た座敷の席、窓の網戸と背合わせに在る空の駐車スペースに例の車が凄い爆音を響かせながらバックで入ってきた。窓ギリギリのところまで下がって駐車した際に、やっと室内から漏れた電球の明かりで車のシルエットやエンブレムが拝めた私。しかし、車の正体を知って度肝を抜かれたぁぁああー! 『これって、三菱ランサー・エボリューションZやないですか?!』 シルバーカラー1色にペイントされた超弩級の国産スポーツセダン。世界ラリー選手権で、国産自動車メーカーのスバルと同じく参戦を続ける三菱自動車がラリーベースマシンとして生み出した車。私の乗るインプレッサと長年、宿命のライバルとして性能を競い合っている間柄の車なのです。その車から降り立った人物を見て更に吃驚!そう、その車のステアリングを握っていたドライバーこそ、久保さんが言った、これまでのカミキリムシ騒動(笑)を引き起こす切っ掛けとなった人物『坂本公雄』その人だったのです。でも、何故、今になって彼が此処に現れたんだろう・・・。 うん?待てよ?そう言えば、今日、久保商店を訪ねた時に、事務所に例のキボシカミキリ達の虫籠が未だ手渡されずに残っていたっけ。虫達も相変わらず元気だったし、安心したんだけれど・・・。雅か、これも久保さんが仕組んだんじゃないの?!(笑) その事を久保さん自身に問い質してみたら・・・、私のカンは当たっていました!(笑)。私達をほたる館へと送り届けた後に久保商店へと戻った彼は、札幌の坂本氏へ「カミキリムシを届けてくれた関西のライダー親子と今晩宴会を行うので、坂本社長も来ませんか」と、その席で例のキボシカミキリを手渡すと巧みに『極上の餌(笑)』をチラ付かせて誘い出したそうな(笑)。午後6時まで御仕事で、それから百八十キロも離れた沼田町まで宴会に間に合う様に来いと言うのは随分乱暴な話だよね・・・(笑)。でも、キボシカミキリ欲しさに、それを実行してしまった御方が目の前に居た!(大爆笑) 「いやあ、どうも♪どうも♪(^-^)」 そう言いながら、額から流れ落ちる汗を拭いつつ、座敷に姿を現した坂本さん。歳もオヤジさんに近い還暦を過ぎた御方。若林さんを含めると『即席還暦トリオ♪』が完成するわね(笑)。こうして新たに増えた面子も含めて始まった記念すべき(?)「北海道カミキリムシ同好会発足記念一次会」は、更なる盛り上がりを見せて行くのでした〜♪ <〜〜北海道カミキリムシ同好会発足?!(三の巻)〜> この宴会の主役は本来、私達親子だったと思う。何故、こんな疑問系で語るのかと言うと、一次会の席でその座を私自身が持ち込んだ「キボシカミキリ」「諏訪泉 純米古酒1986」に奪われた気がしたからさ(笑)。美味しい物に目がないのは人間も動物も同じ事。目の前に、極上の餌が登場すれば誰だって理性を保つのに苦労するよ(笑)。まぁ、坂本さんの場合と私達とでは、かなり事情が変わってくると思うけどね(笑)。この度の御礼(カミキリムシ生捕獲&御届け)に北海道の地酒を持参された坂本さん。北と南、虫だけに止まらず、日本酒のコラボレーションも実現してしまいました。こんな感じで、美味しい焼肉とお酒を楽しみながら沼田大門での一次会は幕を下ろしました。 これで、一応『責務』(焼肉代を奢って頂きました♪)を果たしたと思われた坂本さんは、久保さんから例のブツを受け取って札幌へ帰れると思っていたそうな。でも、今宵の全てを仕切る彼には、未だ、こんなに早く坂本さんを解放するつもりなど微塵も無かった(笑)。 「さぁ、次に行きましょう♪」 沼田大門から歩いて直ぐのスナック『サライ』へと移動して行った私達。二次会の舞台に選んだここで「南北対抗歌合戦♪」が始まったぁーー! 親子共々、自慢の美声(?)を響かせながらカラオケを熱唱!やんや!やんや!と盛り上がる私達と空気が違う存在が確実に御一人だけ居ましたけどね♪・・・(笑)。歌わずにトークを楽しんでいた久保さんに、その席でも「何時(カミキリ)を渡してくれるんだ?」と詰め寄っていたそうですが、この次(三次会)でお渡ししますよって軽くかわされていました(笑)。ホンマに、焦らされて御気の毒って感じがしていましたね(>_<)。そして遂に私達は三次会へと突入致しましたーー! 久保商店と国道(R275)を挟んで向かい側に在る『のらくろ』って焼き鳥屋で始めた三次会。私達が入店したと同時に、久保商店へ坂本氏念願のブツ(笑)を取りに戻った久保さん。遂に憧れの人と出会える事にソワソワしているって感じが目の前から伝わって来て、失礼ながら思わず笑いを誘われました(^-^)。待つ事数分、分厚い百科事典と一緒に、この夏、途中まで共に北への旅を続けた奴等が再び目の前に現れた。 『オオー!コレはぁ・・・・』 百円ショップで買った緑色の虫籠に入る5匹のキボシカミキリを電球の光にかざしながら、色んな角度で一心に虫を魅入る坂本さん。もう、周囲の声なんて全然気にならないって感じかな(笑)。横で何と言うカミキリムシなのか調べて幾つか名を挙げる久保さんの意見を制し「これはキボシカミキリだよ!間違いない!」と断言する彼(笑)。ええ、その通りですよって言いたくなりました♪(^-^) その席で「何故、生きたまま届けて欲しいと希望されたんですか?」と彼に尋ねてみました。どうせ標本にするなら、死んだ虫でも良かったのではないかと聞いてみたら、死んだ昆虫より生きた昆虫の方が標本を作り易いのだそうです。専門的な事は私も良く分からないので、彼からの説明を聞いてオヤジ共々納得した次第です。それにしても、還暦を過ぎた立派な紳士が子供の様に喜ばれる姿を見れて、色々苦労して沼田町まで千五百キロを越える旅をしてきた甲斐があったわと、心から実感出来た私でした・・・・。 こうして、一通のEメールから始まったカミキリムシの御話は、無事、それを望まれた人の手に託されて終焉を迎える事となりました。札幌への夜道を、一滴もお酒を飲まれなかった(車で来ているのに当たり前や!)坂本氏駆る「ランサー・エボリューションZ GT−A」の座席に揺られて旅立って行った虫達・・・・。少し淋しい様な気持ちを感じながら、私達も三次会で解散となり、途中まで若林さんと同じタクシーに乗って宿へと帰りました。本当に、思わぬ所で人と出会ってばかりの一日だった気がしました。再び、彼等と出会える日が近い事を願いながら、楽しかった夜の一時を振り返っていった私達でした・・・(了) (・・・第八章(最終章)「〜母に捧げるオオハンゴンソウ〜」に続く・・・) |
<〜第七章までの御話〜> 毎年、夏の親子(父と息子)北海道バイクツーリングに向けて準備を進めていた7月中頃、私の元へ届いた在る一通のEメール。差出人は北海道の友人からで、その内容は「カミキリムシを生きた間々捕まえて直接北海道まで届けて欲しい」と記されていたから、さぁ、大変!(笑)。そう言いつつも、旅立ちの日までに楽々達成出来ると思って引き受けたら、以外にカミキリムシを捕まえる事が出来ず、無常にも時間は過ぎて旅立ちの日まで残り2日と迫ったある日、捕獲協力を頼んでいた会社同僚等の助けを得て「キボシカミキリ」を漸く一匹ゲット!更に、旅立ち当日に4匹追加ゲットに成功する。虫を快適(?)に輸送する手段も編み出した私は、全ての旅準備を終えて自宅を出発。京都府舞鶴港から新日本海フェリーの舞鶴⇔小樽航路便に乗船し、20時間の船旅後、無事小樽の地を踏む。カミキリムシが思っていた以上(?)に元気な姿で北海道へ持ち込めた事に驚きながらも素直に喜び、小樽の宿泊先ホテルで一泊。次の日の朝、いよいよキボシカミキリをお届けする「本番」の旅がスタート!幸い天候にも恵まれ、快調に北の大地を「爆走(笑)」した私達は、沼田町の久保商店(米工房)を訪れ、見事指令を果たす事に「成功」する(笑)。旅の「おまけ」的仕事を達成した私達は、本来の北海道ツーリングへと戻り、旭川市を東へ通り抜け、先の上川町で美味な「上川ラーメン」を堪能。北海道ツーリングを引き立てる、ゲーム要素を盛り込んだ各種イベントもスタートし、旅の主役は「キボシカミキリ」から私達自身に返り咲き〜♪ 三国峠、白樺並木が続く糠平国道を通って深い森を抜け、広大な十勝平野へ駆け出して行く。来月、日本で初開催される「世界ラリー選手権」の舞台、そして今宵の宿地「帯広」を目指す私達。そこには、今から2年前にインターネットを介して知り合いになった老舗パン屋『ますやパン』が在った。その時から今日に至るまでのますやパンとの交流を過去のツーリングと共に振り返りながら、バイクは一路、ますや本店へ近付いて行く。そして、一年ぶりに老舗のご一同と再会後、彼等との楽しい「集い」は舞台を移しながら夜遅くまで続いて行った。忘れられない思い出と成って・・・・。 翌日、ふく井ホテルの見事に日差しを遮断する厚地カーテンの御蔭(?)で、夜が明けた帯広の様子に気付かず心地好い夢の住人を楽しんでいた私達を現世に引き戻した一通の携帯メール・・・。それは、ますやパン本店で帯広を去る私達親子と別れの挨拶をする為に、私達の来店を待っていた杉山社長から『午前8時18分』の『今』送られたものだった?!自ら本店営業開始時刻(午前8時)に合わせて来店し、帯広を去る挨拶をすると伝えて措きながら結局約束した時間より1時間半遅れでの来店と、大失態を演じてしまった私達(恥)。大笑いで老舗一同に迎えられたので、内心ホッとしながら、名残惜しむように皆さんに見送られつつ帯広を旅発って行きました・・・。 当初の予定より2時間遅れの出発となってしまった8月10日の北海道バイクツーリング。「阿寒湖」「開陽台展望台」「知床半島」と順に巡るこの日のスケジュールを考えながら、思わしくない進行方向の天気も気に成りつつ、バイクは一路、最初の目的地「阿寒湖」へと近付いて行く。すれ違う多くのライダーやチャリーダー達と「ピースサイン!」を交わしながら、阿寒湖に辿り着いた私達は、更に奥の北海道最大のアイヌ部落「阿寒湖アイヌコタン」へ。今から三年前に初めて此処へ訪れた当時頃のツーリングを振り返りながら昼食と御土産選びを楽しんだ後に、ツーリングを再開して次なる目的地を目指し始めましたが・・・。遂に天候が悪化して、昨日に引き続いての雨天ツーリングとなる。幸いペースは落ちずに走りきって、無事「開陽台展望台」へ辿り着く私達。しかし、地球が丸くみえるが売りの風景も、雨と霧が広がる天候では望みようも無く、消化不良の思いを残してしまいましたが、色々楽しい旅のアイテム(特製フラッグや限定キティ)を次々ゲット出来た御蔭で機嫌も一気に良くなった私達(笑)。今朝の寝坊による時間ロスを此処までのツーリングで回復出来なかった私達は知床半島行きを断念!そこから、本日の宿「網走」を目指して、残り百数十キロの距離を雨と格闘しながら激走して行く!途中、小清水原生花園を見ながら休憩中に北海道の定番おやつ「ソフトクリーム」をゲットして栄養補給も欠かさない親子ライダー!(笑)。しつこい雨からも開放されて気分も良くなった私達は一気に残った距離をワープ加速!宿へと辿り着いた。翌日も朝から雨と言う最悪の始まりを迎えたけれど、能取湖畔のホクレンで給油に立ち寄った時に、それまでゲット出来なかった給油スタンプシートと、昨日の給油で貰い損ねた道東フラッグをゲット出来たところから旅運が良くなり、直ぐに雨からも開放された。道の駅サロマ湖で3日ぶりに同郷のパンチパーマ・オヤジライダーとも偶然再会を果した後、ひたすら道の駅スタンプとホクレンフラッグのゲットを繰り返す。途中で、再び上川ラーメン(愛山渓ドライブイン)を食したりと、昨日と違ってテンポの良いツーリングが行えたのは今朝に寝坊しなかった御陰(笑)と実感しながら沼田町までの道程を楽しむ私達。無事、久保商店に辿り着いた私達は、その後、思い掛けない人との対面も交えながら久保さん達と楽しい一夜を過ごして行きました〜♪ では、その後の私達はと言いますと・・・。 第八章(最終章)「〜母に捧げるオオハンゴンソウ〜」の始まりです♪
<〜北海道、夏の旅「最後の朝」〜> 2004年8月12日(木)、今年の北海道ツーリングも現地「最終日」の朝を迎えました。過去4年連続4回に及ぶ夏の北海道バイクツーリングと比較して、今年ほど変化に富んだ内容は無かったんじゃないかと今更ながら思った私。先ず『虫』を準備して北海道へ持ち込むところから始まったでしょう(笑)。それに、訪ねて行く先々で『宴会』を繰り返していた様な気がしてね(笑)。まぁ、めっちゃ楽しかったから良かったんだけれど、回数を重ねる毎にツーリングを始めた頃の趣旨と、ただ純粋に北海道って土地を走る姿だけに憧れて来た頃と随分変わっちゃったなって気がするだけさ♪(^-^)。それだけ、この地とのお付き合い、現地の人との結び付きが強くなったって事。それって素晴らしい事だよねー!(喜)。これからも、人との和を大切にしながら、北の大地を父と共に駆けて行けたら本望ですぅーー!(>_<) 昨日と同じ位の時間に目覚めて出立の準備を済ませた私達は、ほたる館の中庭を眺めながら朝食を摂りつつ、そんな気持ちに浸っていました。食事を終えてからフロントでチェックアウトの手続きを済ませた時に、受付の方から「支配人が原田様のお帰り前にご挨拶をさせて頂きたいので少し御待ち頂けますか」と呼び止められた。そうして間も無く昨夜出会った畠山支配人が奥のオフィスから姿を現した。 「おはよう御座います。昨日はお疲れ様でした」(畠山) 「いえ、こちらこそ♪ありがとう御座いました♪」(私) 「今日は、どちらへ行かれるのですか?」(畠山) 「今晩に小樽港から出るフェリーに乗って帰りますから、この後は小樽方面へ向かいます」(私) 「それでは今日が北海道も最後なんですね。気を付けて帰って下さい」(畠山) 「ハイ!ありがとう御座います!」(私) 「これ、手荷物になるけれど・・・」と言いながら私に地元産の赤ワイン『北のほたる』を1本、お土産にと手渡して下さいました。喜んでトップ・パニアケース内で空っぽに成って暇を持て余していた(?)簡易クーラーボックスに頂いた大事なワインを収納〜♪ 「来年の夏も沼田町へ来ますから、その時にまたお世話になります!」(私達) 「待っていますよ!是非、来て下さい!」(畠山) そうして、彼に見送られながら、ほろしん温泉ほたる館を旅立って行く私達でした。 <〜終わり行く旅のイベント〜> 北海道「最終日」となった今日のツーリングは、基本的に日本海沿いに小樽までの道程を南下して行く単純ルート。通称『オロロンライン』と呼ばれて道民に親しまれている風光明媚な海岸線を走って行きますー! ほたる館を出た私達は、先ず前の道、道々867号線を北上して沼田ダムを横切りながら達布峠を越えて小平町へと入り、麓の集落まで下ったところで道々1006号線へ左折。そこから日本海に面した国道(R232)との三叉路まで出て来た私達は、丁度、ここで出会わせたホクレン小平SSで燃料補給。給油スタンプ&道北フラッグ(3本目)もゲットした序でに、ある一軒の御店が何処に在るか店員に訪ねてみました。すると・・・・。 「嗚呼、その御店はここから少し南に下がった右手(日本海側)に在りますよ♪」 ホクレン小平SSを離れた後に、R232を札幌・小樽方面へ南下を始めて数百メートルのところで、ホクレンで教えて貰った御店が国道沿い右手海岸側に建っていた。国道とコンクリートの護岸に挟まれた細長く狭い土地に建つ小さな食堂『ドライブイン フリッパー』。そう、ここが私達親子で訪ねようと思った場所。バイクを隣接する南側の駐車場に停めて、店先に掛けられた暖簾を潜り、入り口の引き戸を開けて御店へと入って行った。そして・・・。 『おはよう御座いますー!レッドバロン留萌フラッグを頂きに上がりましたー!』 昨日と何処か旅の展開が似ている気がするけどね(笑)。そうさ、今日もレッドバロン主催イベントの続きから我等の旅は始まって行くのですって言いたいけれど、実はこのフラッグポイントを最後に今年の「レッドバロン・ゲットフラッグツーリング2004」は終了となってしまうのです・・・(T_T)。未だ保留中(04網走)の分を覗いて、今日走るコース内に、未だ足を運んでいない他のフラッグポイントは出現しないからです。店先で美味しそうな匂いを漂わせながら煮込まれていた『おでん』に、先ほど朝飯をタップリと胃袋に仕込んだばかりなのを忘れて涎を垂らす寸前までイッてしまい(笑)、慌てて取り繕う私が居ました(恥)。レッドバロンが色分けした道北(青)道東(緑)道央(黄)道南(赤)のエリアで、道央エリアに属する事を意味する黄色生地に赤文字で「04留萌」と表記されたフラッグ。こちらの女将さんからフラッグを各自1本頂き、手持ちのパンフレット裏表紙にフラッグポイントを制覇した事を示す「04留萌シール」を貼って貰った。今のところ「暫定3箇所」の制覇。先の網走分も、今日立ち寄る予定のレッドバロン小樽でパンフレットを提示すれば御店でシールを貼ってくれるそうだから、今年は全部で4箇所って事になる訳ですね。この企画が始まった当初から参加しているけれど、年度に拘らなければ、ほぼ全ての種類(全10本中で9本)は持っている私達。但し「1本」のみ、未だ其の姿すら拝んだ事の無いフラッグが存在しています。それは道南エリアに在る「レッドバロン大沼フラッグ」。私達「初」と成る北海道バイクツーリングで巡った土地は道南でした。其の年は未だ単なるツーリングライダー(レッドバロンユーザーでイベント登録者のみ対象)のマシントラブル等に対してのサポートって言う事務的なサービスしか行っていなかったレッドバロン。現在のスタイルへと進化したのは翌年(2001年)から。2000年以降、一度も道南方面へ行く機会が無かった私達にすれば、大沼フラッグは手に入れる事が不可能な品でした。しかし、来年計画している夏の北海道バイクツーリングは「原点回帰」と言うことで、再び道南を主体とする旅を行う予定です。オヤジ様が海好きな方(私も)ですから、海岸線ルートが素晴らしかった道南の道を「再び走りたい」と彼の希望から決定致しました♪今年を含む過去3年間は大陸的な北海道らしい内陸の道を中心に走って来ましたしね。まぁ、飽きる事は有りませんが、そろそろ違った内容に改める頃合いだなって感じていたところ・・・。頂いたフラッグを互いの荷物に収納後、再開したツーリングで先行する父の後ろ姿を眺めながら走りつつ、そんな考えに浸る私でありました・・・・(^-^) <〜母に捧げるオオハンゴンソウ〜> 小平町から留萌市へ入り、市内でルートをR232からR231へ変更。更に海岸線ルートを鋼鉄の愛馬と共に駆けて行く♪増毛町を超えて浜益村の海岸線に入った頃、道端の急な斜面に群生して咲いている黄色い花の姿が、あちらこちらで見られる様に成り始めた。初日に旭川から帯広へ向かうルートや他でも何度か目にした風景。それを見て、私は旅に出る前に母から頼まれた大事な約束を思い出しました・・・・。 『オオハンゴンソウを採って来て欲しいの』 花が大好きで、日頃、園芸や生け花にも力を入れている母ではありますが、彼女が何故オオハンゴンソウを欲しいと言い出したのか?それには訳がありましてね・・・。今から9ヵ月前の2003年12月。年の瀬も迫ったこの月に、フジテレビで「北の国からアンコール」と題して、3夜連続で「北の国から95秘密」「北の国から98時代」「北の国から2002遺言」のテレビスペシャルドラマが再放送されました。私も母も北の国からの大ファンで、オマケに全話DVDで持っているって言うのに自宅の居間でコタツに足を突っ込みながら一緒に連夜テレビ放送を観ちゃいました(笑)。「(再放送と)分かっていても、テレビ放送で観るって言うのは気分が違うわ♪」と母も妙にピントのずれたコメントを出していたっけ(笑)。そんな中で言った母の言葉が上記のそれだったって訳です。あれは2夜目に放送された98時代。黒板純の幼馴染で親友の笠松正吉が、純の妹「蛍」にプロポーズし、その誠実な思いを伝える為に「百万本のバラの花を貴方にあげる(歌手、加藤登喜子の純愛を歌った歌詞)」にあやかって「百万本のオオハンゴンソウ」と大量に夏の野原に咲くオオハンゴンソウを採って彼女に贈り届けると言うシーンを見ていた母が「好いなあ♪素朴だけど奇麗な花だよね♪変に派手なバラより、正吉の真面目で素朴な人柄を表現するには最適な花やわ♪」って言い始めて、それを側で聞いて居た私が、実際に其の年の夏に富良野・麓郷で本物を見てきて奇麗な花だったよ言ってしまったものだから「私も見たいんやー!(>_<)」と母の気持ちを爆発させてしまう事に・・・・(笑)。由って、今年の夏の北海道バイクツーリングは「行って良し!」の許可を母から得る引換条件に「花を絶対採って帰って来て!」と厳命されました・・・・(T_T) 今の今まで其の事を忘れていた私は、もう少しで帰る家を無くすところやったわ(笑)。さてと、それでは花が採れ易そうな所に生えているのを見付けたら、手早く「スパ!」と採取しちゃいましょうー!途中の信号で停車した時に、横に居たオヤジにも其の事を伝えて、私達はオオハンゴウンソウを求めて北を流離う『花の狩人』となって行きました〜♪(^-^) 「うーん、如何したもんかなぁ・・・・」 花探しを始めたところまでは良かったけれど、採り易い位置にオオハンゴンソウが咲いている場所に出会わない。「オオ?!」と思えた場所は、同じ黄色で一見似ているけれど違う種類の花だったりと、中々、路肩に沿ってバイクが停車し易い場所で手が届く範囲内にオオハンゴンソウが生えているって場面が出て来ないぞ・・・・(>_<)。進行方向(札幌・小樽方面)左手、つまり陸地側丘陵地や斜面中心に姿を見せる花達。逆に国道を挟んで右手海岸線側は殆ど咲いている姿は現れて来ない状況。まぁ、ここまでは良しとして、ここからが問題やね・・・・。暫くして道路と其れほど高低差の無い位置に生えているオオハンゴンソウの場所を見付けた。牧草地の盛り土に生えた花の集団。路肩にバイクを寄せて停車し、そのまま花の所まで『歩・い・て・行・け・れ・ば』任務完了でした・・・・。 その牧草地と道路との間には谷間の様な溝が通り、外部からの進入を阻止するかの如く、私達を近付けさせてくれません。他に迂回して簡単に近付けそうな雰囲気は無く、余り大事にはしたく無かったので、この場は諦めて次の機会を伺う事に・・・。次は、大型車も駐車出来そうな幅広い路肩沿いの急斜面に花が生えた場所に出会いました。今度は先程より『一見』花の直ぐ側に近付けた様に思えたのですが・・・・。道路より何メートルも高い位置に生えていて、其の場所から真下に見下ろした位置に私達が居るって感じかな。そこまで到底登れそうに無かったので、これまた断腸の思いで諦めて更なる機会を伺う事にした訳ですが、この後も同じパターンが続いてねぇ・・・・。親子でキョロキョロ首振り運動を行いながら、その後も花を探し求める旅は終わる事無く続いて行くのでした・・・(T_T) <〜思いは形と成って母の元へ・・・・〜> 石狩平野まで南下して来た私達。ここまで花の収穫は何と「ゼロ」。お盆休み頃は、オオハンゴンソウも北海道各地で満開を迎えている時期だから、何時もこの頃に北の大地をツーリングしている私達にすれば安々とゲット出来ると軽んじていた考えが不味かったのかしら・・・。その後も一向に収穫出来そうな物に出会えないばかりか、都市部に差し掛かって来たら次第に『花』其の物の存在が現れなくなって来た。コ、コレはヤバいやんけーー!(>_<) そう、石狩市を通過して札幌市に入った時点では、国道沿いに全くオオハンゴンソウの姿が無くなってしまっていた。黄色いけれど違う花が現れてばかりで、私の心に言いようの無い焦り(辛)が広がって行く。この間に、走行ルートもR231からR337へと移り、そして遂に私達は『小樽市』の標識が掲げられた札幌市との境界の町、銭函町まで戻って来てしまったのです・・・。R337とR5との立体交差点を経由して、小樽市中心部へ向かうべく愛馬達をR5へと進めて行く私達。ここから先は、商店や住宅地、工場等が左右に広がる交通量の多い都市部の道。小樽港までの距離は残り僅か。その間の周囲の環境を考えてみれば、もう、花をゲットするチャンスは先ず不可能と悟った私。さて、花の土産を楽しみにしている母に如何言い分けすれば良いかなぁ・・・・(T_T) 「ハァ」って深い溜息を吐きつつ、立体交差点からR5へ移って直ぐの左手、歩道脇の山肌に何と、オオハンゴンソウが群生している姿を発見!オヤジも私と同時に気付いたらしく「キィキィー!」とバイクを同時にフル・ブレーキ!後続の車にオカマを掘られ無い様に路肩へバイク二台を縦列駐車しました。完全に諦めモードへ移行していた私の心を呼び戻した間違い無く、これがラストチャンスの出会い。急いで歩道に上がって本物か先にチェック。 キク科の多年草で、北アメリカ原産で在るオオハンゴンソウ。園芸用植物として明治以降に日本へ輸入された物が、その後、野性化して北海道から本州の中部以北まで幅広く帰化して現在に至るとされています。7月から8月に掛けて開花し、その独特な花の形から別名『ハナガサギク』とも呼ばれ、北海道民には古くから馴染み深い植物として知られています・・・・。 「イエーイ!本物やー!間違い無いでぇーー!(^-^)」 左手でガシっと歩道へはみ出して生えていた数本のオオハンゴンソウを掴みながら、右手でガッツポーズを取る私〜♪(笑)。未だ、肝心の花を採取した訳でも無いのに、其の場で嬉しさの余り『小躍り♪』を始めた私と違って、普段から本当にクールなオヤジさんは私を『無視』して歩道に上がって山肌に近寄り、オオハンゴンソウが群生している中に入って虫に食われていない見栄えのする奇麗な花を吟味して、手早く旅道具として持参してきた携帯ハサミでチョキン!チョキン!と切り出して行く。その姿を見て我に返った私(笑)は、オヤジの側に寄ると「バサ」って採取した花束を手渡された。 「オマエの目で見て、その中から良いと思える花を幾つか選べや」 そう言った後も、再び違うオオハンゴンソウを刈り始めた彼。受け取った花は一見どれも奇麗で特に差は感じられなかった。でも、汗を滴らせながら黙々と花を選んで私に手渡すオヤジの姿に、北の国からの正吉と一瞬重なって見えた気がした。何時も無理を聞いて貰って留守番役を押し付けている妻へ、ささやかだけれど望むものを贈りたい。同じ贈るのならば、出来るだけ良いと感じた物にしたい。私と違って口数の少ない、けれど素朴で優しい真面目なオヤジさん。そんな彼の、母への深い愛情が私にも伝わって来る気がした・・・・。 群生していたオオハンゴンソウの約4割も刈り採ってしまったオヤジ様(笑)。一度、やる気になって物事を始めたらトコトン気が済むまで止めない性分な彼の一面を久々に垣間見た気がしないではありませんが、そんな彼のDNAを色濃く受け継いでいる私も右に同じだもんね(笑)。採取した花を細かく観察すれば、意外に虫に食われていた物が多く、大半は捨てる結果と成りました(残念)。でも、小さな花束位は作れそうな量が残せたので、母がコレを受け取った時の喜ぶ姿を想像しながら旅の途中でゲットしたコンビニ袋に花束を包み、パニアケースに収納して愛馬に跨りエンジン始動―! 「ズドドドドドーー!」「ブオオォォオオオンーー!」と重厚な二重奏を再び周囲に撒き散らせながらホクホク顔の親子ライダーは、小樽市内までの残った距離を豪快に駆けて行くのでした〜♪ <〜北海道・夏の旅、最後の昼食は有名市場食堂で「まいう♪」〜> 8月9日朝以来、3日ぶりに小樽の町まで帰って来た私達。楽々お昼前には辿り着けると思っていたにも関わらず、正午なんて遠い昔の話・・・。道中に手間を取られて到着時刻は午後1時半と成ってしまいました。空きっ腹を抱えた間々で休憩無しに我慢のツーリングを続けて来たんだけれど、先程までは『特命達成(笑)』が在った為にそれほど空腹を意識しないで済んでいたのに、目標が達成出来た御陰で気が緩んだのか、もう、私達の胃袋は「グウ!グウ!」鳴りっぱなしで五月蝿いったらありゃしない!(笑)。いい加減走り疲れていたから、休憩も兼ねて美味しい物を頂きに行きましょうー! そんな親子ライダーが目指した所は『小樽鱗友市場』。JR小樽駅前『三角市場』と並んで有名な数多い小樽市内の市場の一つです(^-^)。小樽で一番早く(午前3時半)から開いている市場でして、地元民の台所として愛用されている海鮮市場。函館の朝市や釧路の和商市場と比べて規模は小さいけれど、美味しくて新鮮な魚介類がリーズナブルな価格で手に入るし、何と言っても、その新鮮な魚介類を直ぐに味わえる食堂が市場内に数軒在ります。2004年6月末までの新日本海フェリー(舞鶴⇔小樽)運航ダイヤの小樽着が午前4時だった事も手伝って、フェリー下船後の多くのライダーが市場の食堂に朝食を求めて殺到する姿が過去見られました。ちなみに、我等親子も其の集団の一員だった訳です(笑)・・・。 ベイサイドシティ小樽(旧マイカル小樽)と小樽港フェリーターミナル前を通過。小樽運河を横切りながら、迷う事無く市場へ辿り着く私達。お昼時なら行列客待ちも覚悟しなければならない所だけれど、流石に午後1時半も過ぎた今の時間では、どの食堂も客の入りは疎らで空いていた。市場食堂店舗前の道路に駐輪した私達。魚出汁の食を擽る香りが周囲に立ち込めた食堂『味さき』の暖簾を潜って中へ入って行った・・・。 『いらっしゃいませ♪』 テーブル席が無くて厨房と対面のカウンター席が数える程の細長い小さな御店。昔、テレビ大阪(テレビ東京系列)で観た「土曜スペシャル」って紀行番組で、全国有名市場の食堂を取材していた時にコチラが出て来ましてね♪取材で訪れていた芸能人レポーターが、美味しそうに『生うに丼』を食べていたのよ。他にも色々、市場の特色を生かした魚料理が一杯出て、それを羨ましそうに涎を垂らしながら観ていた私(笑)。北海道を訪れたら、絶対ここへ行って美味いもんをタップリ食ってやると誓って現在に至ります・・・。正に有言実行とは、コレ如何にって感じでしょうか〜♪(笑) 「さぁーて、何を頂きましょうか♪」(私) 「もう、聞くまでも無いやろう・・・(笑)」(オヤジ) 「それじゃ、生うに丼で良いんやねー!(^-^)」(私) 「オマエが別の物を食いたいなら好きな物を選べや」(オヤジ) 「意地悪やわ!オレが生うに丼以外を食う為に此処へ来たと思うか?!」(私) 「オマエも結構へそ曲がりなところがある奴やからなぁ♪(笑)」(オヤジ) 「・・・・ふん!余計なお世話やー!(>_<)・・・・」(私) 痛いところを衝かれて「ギャフン!」と言わされたけれど、そんなボケ会話は忘れて昼御飯を注文しましょう♪(笑)。もう、めっちゃ腹が空いてるっちゅうねんー! 『生うに丼を二つ、御願いしまーす♪』 カウンター越しに注文した料理が出来上がる様を目で楽しみながら、これまでのバイクツーリングをオヤジ様と振り返って行く。本当に色んな事が有った旅だったよね。でも、ここまで無事にお互い北の大地を駆けて来れた事がイチバン嬉しかったなぁ♪楽しい思い出のページを今年の夏も重ねる事が出来た自分達を心から幸せだと、旅に協力して下さった全ての方々に感謝しなきゃね♪この幸せが、これからも続けられる様に努力して行こうっとー!(^-^) 妙に神妙な気持ちで待つ事数分。お待たせ致しましたと念願の品がご登場やけれど・・・。うん?あれ?何だか想像していた生うに丼の形と少し感じが違うなぁ・・・・。普通、生うに丼って、丼に盛られた白飯の上にタップリと生うにが盛られた物の事を言いますよね。コチラは白飯と生うに、別々に出てきました。それ以外に、毛蟹が沢山入ったお味噌汁(喜)や煮物、お漬物とオカズが一杯付いた定食スタイルでご登場♪ 「ご自分のお好みのスタイルで、生うにを召し上がって下さい」(店主より) なるほど〜♪そう言う事なのね♪(^-^) 出された器に山盛りの生うに。丼に全てを乗せて食べるのも好し。少しずつ乗せて頂くのも好し。オカズ感覚で白飯と生うに、別々で食べるのも好し。自分の好みで好きな様に食べて下さいって事なんですか。ふふ、中々粋な計らいをしてくれますやん♪私達は基本的なスタイルで、つまり全部の生うにを白飯に「ドカ」っと乗せて頂きました。 実は私、北海道で生うにを食べるまでは苦手と言うか嫌いでした。地元、関西のお寿司屋さんとかでも生うにを使った軍艦巻きとか、食べる機会が過去に何度も在ったんですけれど、一度も美味しいと感じた事は無かったですし、独特の生臭味と言うか、好きになれない風味で自分から好んで食す事は、それまで一度もありませんでした。殆どが御付き合いの席で無理に食べさせられていたんです・・・・(T_T) そんな事も在りまして、今まで美味しい物だって認識が北海道に来るまで持てなかった。でも、日頃お世話になっているバイクショップで出会うライダーさん達の中で、北海道に行った事のある人達は口を揃えて「本場の生うには最高に美味い!」と絶賛していた事も有り、初めて北海道を訪れた2000年に、小樽市から西へ行った積丹半島「神威岬」にある食堂『うしお』って処で、生まれて初めて生うに丼ってヤツを食しました。『元祖生うに丼』の幟が立てられた御店で味わった生うにの美味さは、私の予想を大きく超えて鮮烈でしたぁー! 『ナ、何やねん?この美味さって凄いー!』 もう、感激しました♪(喜)。「ミョウバン(保存液)」に漬していない、殻から剥き立ての新鮮な生うにが、これほど美味しいとは思いませんでした。うに独特の臭みと思っていたアレは、剥き身をミョウバンに漬ける事に由って生じるのだと言う事も教えて貰いました。液に漬けていない生うには、全く癖の無い、甘みの溢れた美味其の物って感じ。それに北海道の豊かな潮に育まれた『昆布』を主食とする北のうに達は、瀬戸内で採れるうにとは全く甘味が異なっていました。いやぁ、本当に美味しいー!まいうー!(笑)。この出会いが切っ掛けで、毎年夏の北海道バイクツーリングの締めを飾っていたイベントが、この積丹半島「神威岬の食堂うしお」で「元祖生うに丼」を食べることだったのです。しかし、残念ながら4年続けた当イベントも、今年計画したツーリングコースから大きく外れてしまった為に中断せざるを得ませんでした・・・(T_T)。その代わりに、味さき食堂に立ち寄り、同じ産地の生うに丼を食して帰ろうって訳ですわ。嗚呼、やっぱり、めっちゃくちゃ美味いっちゅうねん!これを食っとかないと、北海道に来た気がしないもんね♪(笑)。一緒に出された毛蟹の味噌汁も絶品♪嗚呼、幸せやわぁ〜♪ 『ライダーさん達は、何時も良くウチに来てくれるからサービスね♪』 そう言いながら、店主のオジサンが刺し身の盛り合わせを私とオヤジ様に各自一皿づつ下さった。それは『サンマの刺し身』でした♪秋のサンマ漁が始まった頃でもあり、脂の乗った新鮮な刺し身を頂こうと別に注文するつもりでいたので「ありがとう御座います〜♪」とお礼を言って、即、味わってみると・・・・。 『ウォーー!めちゃくちゃ美味いーーー!!』(>_<) 昆布醤油に、薬味の摩り下ろした生姜や刻みネギと一緒に刺し身を漬け、口に運んで味わったサンマの美味さは格別でした♪新鮮なサンマって、水揚げされたばかりのサンマって、こんなに美味しいの?!もう、近所のスーパーで売っている『北○道 根室漁港直行 新鮮サンマ(生)』を買って食す気になれないわ(笑)。蕩けきった締まりの無い表情を親子で浮かべながら昼食全てを『完食』して、来年もまた来ますとお別れの挨拶を済ませて私達は次なる目的地へ向かいました・・・。 私達が向かった先は、先程の話の中に出て来た三角市場。そう、小樽運河沿いの鱗友市場から次は山手側の三角市場へ移動って言う訳。「何しに行くの?」「小樽の市場巡りでもするの?」と、この展開を見たら思いますよね。まぁ、半分は正解ってところかな。実は、家族や知り合いに頼まれたお土産を買う為なんですよ。何しろ食の宝庫に来ている訳ですから、手ぶらで帰ろうものならねぇ・・・。オオハンゴンソウだけで無く、色々と仰せ付かっている訳ですわ・・・。トホホ・・・・(>_<) 頼まれている品は「イクラ」「真ホッケ」「とうもろこし」の三品。海鮮物メインの鱗友市場でイクラと真ホッケだけは先に買う事も出来たけれど、一箇所の市場内で纏めて買って実家へ送りたかったから、野菜や果物も取り扱う三角市場でお買い物する事に決めたって訳です♪そう言っている間に大して距離も無いので、アっと言う間にJR小樽駅前まで出て来たぞっと〜♪さて、ここからが『問題』だなぁ・・・。 小樽三角市場って所は、観光客が訪れる場合に鉄道を利用した行動パターンに適した立地条件やと思うのね。何でかと言うと、JR小樽駅に隣接する形で立っていて、下車した勢いに任せて歩いて2分と掛からないから。感の良い人なら、この前振りで私が何を言いたいかお気付きだと思います。つまりですね、バイクで訪れるのには適さない場所だって事ですわ。駐車場が表通り(R5)に面して無く、裏側(鉄道と背合わせ)に小さな有料駐車場がひとつ在るだけ。それも自動車用で私達みたいな大型バイクが置ける駐輪場は皆無と来たもんだ(辛)。荷物満載のバイクを人目に付かない場所へ置きたくは無かったし、だからと言って路肩や歩道に乗り上げて駐輪した間々、バイクだけを残して市場へ私達が入って行くのも抵抗が有るしなぁ・・・。三角市場の西側入り口前の歩道に、取り敢えずZZ−Rとソフィテールデュ―スを乗り上げさせて、停まった状態で考え込む私にオヤジさんは言いました・・・・。 「ワシがバイク二台の見張り番をして措くから、オマエ一人で見て来いや」 それで良いのと問えば、ここで何も見れなくても帰りのフェリー乗船までには十分時間が有るし、他でゆっくりと見るから良いとの事。オヤジさんには悪いけれど、バイクの見張り番を引き受けて貰って、私は一人三角市場へ入って行きました〜♪。 <〜三角市場で美味なお土産連続ゲット♪〜> 『いらっしゃいませー!さぁ、ライダーのお兄さん!買って行って頂戴―!』 市場へ一歩踏み込むや否や、通路を挟んで並ぶ両サイドの御店から一斉に御声が掛かった(笑)。もう、お客さん争奪戦って感じやね(^-^)。私って、こう言う雰囲気、めっちゃ大好きやねん♪遠慮無く順番に市場へ入った入り口手前の店から見る&試食して行きましたよ〜ん♪(笑)。イクラと真ホッケに関しては鮮魚や海産物(乾物等の加工品含む)を扱う御店が何軒も立ち並んでいたし、値段も同じ位で一定していたから何処で買うか迷う位。しかし、最後の「とうきび」だけは・・・、あれ?青果店も在るって聞いていたのに出て来ないなぁ・・・、あ、在った。市場の端っこ、東側入り口に小さな青果店が一軒在るやん♪とうきびも置いて在るし、これで欲しいお土産全てが揃ったぜ♪ところで余談になりますが、とうもろこしの事を北海道では「とうきび」と言いますよね。私もスッカリこの言い方に馴染んでしまって、関西に居る時でもスーパーとか見かける度に「とうきび」と言っちゃう様に成りました・・・(笑) 「イクラと真ホッケを下さいー!」「とうきびを20本と『男爵』10キロ入り一箱を二つ」 目星を付けた御店へ戻って順に今言った品を買い付けた。男爵も青果店で売られていたのを見て『私』が欲しくなったから、とうきびを買う序でに衝動買いしちゃいました♪(笑)。品物と宅配送料の支払い&運送伝票書きを手早く済ませ、結局15分位で三角市場の買い物を終わらせる事が出来たぞっと。ヨシ、次に行ってみようー!(笑) <〜レッドバロン小樽店登場〜> 市場の表で待たせていたオヤジさんと合流して再び移動を開始した私達。次に向かったのは三角市場から東へ1キロほど進んだバイクショップ『レッドバロン小樽』。例の網走フラッグとパンフレットにフラッグポイント制覇証明のシールを貼って貰うのが一番の目的ですが、帰りのフェリー出港が午後11時半(この時は午後3時を過ぎたばかり)と未だ随分時間が有るし、夕食も乗船前に小樽で済ませるつもりでいたので、それまでの時間潰しの場所にも利用させて頂こうって言う狙いが別にある訳っすね〜♪ 三角市場前のR5を札幌方面へ進む。JR小樽駅前を過ぎて、交差点を数個通過すれば左手に馴染み深い全国統一カラーの装飾が施されたバイクショップがお目見えしました。イエーイ!レッドバロン小樽へ御到着〜♪お疲れ様で御座いましたって、ちょっとだけしか走ってないやんけー!(笑)。空調の効いた店内事務所へ入り、松尾ジンギスカン呼人支店で頂いてきたフラッグ引換券とパンフレットを店員さんに手渡す。嗚呼、これで今年のゲットフラッグツーリングも『本当』に終わりだなって親子で感慨深い気持ちになっていたのとは裏腹に、手渡した引換券を見て慌て始めた彼。「ちょっと御待ち頂けますか」と言った後に、事務所内の収納棚やダンボール箱の中とかを必死で探し始めた姿を目の当たりにして不吉な予感が働いた私は「如何したんですか?」と尋ねてみたら・・・。 「急に網走フラッグが在庫切れしてしまったみたいですー!」(店員) 「ウ、ウソやろー?!」(私) 「・・・いえ、残念ながら。パンフレットに貼るシールは在るのですが・・・」 「何で急にフラッグの在庫が切れてしまったんですか?!」 「実は、今朝から網走フラッグ引換券をお持ちに成ったお客様が続きまして、それで一気に当店の在庫が無くなってしまった様です。他のフラッグなら未だ在るのですが」と言いながら、私達の前に今日レッドバロン小樽を訪れた客の網走フラッグ引換券の『束』をドサっと取り出して見せてくれた・・・。 「ガーン!」と漫画を読んでいると出てくるショックを受けたシーンって在るよね。正に今の私が其れさー!(泣)。そんな、折角ここで貰えると思っていたからこそ、網走で強引に持ち去ったりしなかったって言うのにさぁ・・・(T_T)。ショボンと落ち込んだ私とは違って、何処までも冷静なオヤジ様は、ある事に気付いて事務所の外に在るお客向け情報掲示板まで歩いて行った。そして・・・・。 「オイ?これって網走の旗と違うのか?」 レッドバロン小樽の店員に向かって、そう問い掛けたオヤジさん。「エッ?」と思って私と彼もオヤジさんの方へ振り返って見れば、確かに網走で見たフラッグ其の物が掲示板に押しピンで貼り付けられていました。でも、其れって「見本」として置いて在る品だよね。オマケに1本しか無いし、それを下さいって言うのも気が引けるしなと思っていた矢先に、オヤジ様が開口一番「ワシにくれ!」と言い放ったぁー!(驚) 「ここまで態々引換券を運んで措きながら、手ぶらで姫路へ帰れるかぁー!!」 それが、オヤジさんの御意見でした。ハイ!全くその通りで御座います(笑)。「押しピンで穴が開いていますから・・・」と、余りお勧め出来ないのですがと腰が引けた物言いの店員に対して、オヤジさんは「コレでかまへん!(結構!)」と言い切ってしまう始末・・・・。結局、掲示板に貼られていた「04網走フラッグ」は、熟年パワーの迫力に押し切られる形でオヤジが『強制ゲット』致しました〜♪(笑)。私は親子同居だし、家に1本フラッグが在れば十分だって店員の彼に言うと、逆に彼から「折角、網走までお客様に態々足を運んで貰っているのに、御渡し出来なかったなんて僕が納得出来ません。お名前とご住所を教えて頂けますか。本社に問い合わせて網走フラッグが当店に入荷しましたら、直ぐにお客様の元へ御届け致します!」と押し切られちゃいました。もう、オヤジさんが変に呷るから、彼も妙なスイッチが入ったやんけ・・・(笑)。 こうして、私も取り敢えずオヤジさん同様パンフレットだけはステッカーを貼って貰い、後日にレッドバロン小樽から04網走フラッグが到着するのを待つ事と成りました。それから小一時間ばかり、バイク屋で歓談しながら過ごした私達は、再び愛馬に跨って夕暮れが近付き始めた小樽の町を走り始めたのです・・・・。 <〜小樽・憩いの堺町通り、そして我ら夕食「定番」の御店へ〜> JR小樽駅前まで再び戻ってきた私達は、R5沿いに在る産業会館交差点を右折して浅草通り、日銀通りを小樽運河方面へ下って行き、左手に小樽郵便局が在る交差点へ差し掛かった。この交差点を左へ曲がれば色内通りへ。北海道に来て最初に宿泊した小樽グランドホテルクラシックが在る通りです。小樽郵便局の並びにホテルは建っています。私達は、この交差点を右折して『堺町通り』へと進んで行きました。東西に長く伸びた一方通行の小樽観光の代表的なスポット。土産物店や飲食店が立ち並ぶ情緒の溢れた通りで、毎年夏の北海道バイクツーリングの最後を過ごす場所でも在ります・・・・。 殆ど止まる様なスローの走りで堺町通りを進んで行く。両脇の歩道を歩く多くの観光客からジロジロと視線を浴びながら、私達はある一軒の御店の前に立ち止まった。そして、御店の横の駐車場でテントを張って、道行く観光客相手にソフトクリームやメロンを売っていた店員のオバサン達に声を掛けた・・・。 「私達、二台のバイクを駐車場へ停めさせて頂きたいのですが」 「ウチの"お寿司"を食べに来られたお客様でしょうか?」 「ハイ、そうなんですが、先に堺町通りの御店を一回りしてからにしようかと」 「必ず御食事をされるのでしたら構いませんよ」 「ありがとう御座います。戻って来るまではバイクが人質になりますから(笑)」 私達がお邪魔した御店は『銀の鐘・すし奥尻』。此方と我らの「関係」も後で説明します。折角のご厚意、御店の方の気が変わられない内にとバイクを駐車場へ移動して、暑苦しいツーリングジャケットやヘルメットを脱いでパニアケースに収納し、代わりに財布や撮影器材を取り出して一旦、お寿司屋さんを離れて通りへと繰り出して行く親子ライダーでありました〜♪ 時刻は午後4時半に成ろうかと言うところで、夕食には未だ早い時間帯。そんな事もありまして、私達は程好い時間に成るまで、堺町通りのお土産屋さんを渡り歩きながらノンビリと過ごす事に。ここも先の市場同様、歩いて見て回るのに適した環境。バイクや車で動くと小回りが利かないから、小樽観光最終地と位置付けた銀の鐘・すし奥尻にバイクを置いて徒歩で動く事にしたって訳です。先ずは、堺町通りの一番東側『メルヘン交差点』まで移動。そこから、順番に見て行こうと向かったのは『小樽オルゴール堂』。日本人観光客だけに留まらず、中国や韓国、東南アジア諸国からも大勢の観光客が押し寄せていて、色んな言語が店内を飛び交う。人の波に揉まれながら、私は初めて堺町通りに来た頃の事を思い出していた・・・・。 初めて北海道バイクツーリングを行った2000年。道南を走破した私達は、それまで味わった事の無い旅の喜びに包まれながら小樽へ戻って来ました。そして、その年の夏、北海道滞在最後の宿として初めて泊まったのが小樽グランドホテルクラシックだったのです。この歴史的価値や落ち着きと品の在る佇まいの宿に魅せられた私達が、その後のツーリングでも利用し続ける事となる記念すべき「第一回目」の御泊り。堺町通りをバイクでぶらっと通過して下見した後に、ホテルへチェック・イン(午後5時)した私達は交代でシャワーを浴びた後、ツーリングライダー姿から『一般観光客風』に衣装チェンジ!午後6時前に堺町通りへ繰り出して行きましたが・・・・。こちらの「ルール」を全く知らなかった私達は、その後の展開に唖然としてしまうのでした・・・。 『ナ、何やねんコレわぁーー?!』 何と、堺町通りの殆どの御店が閉店してしまっているやんけ。ちょっと待ってよ、未だ午後6時を過ぎたばかりやん。開いている御店と言えば、高そうなお寿司屋(笑)さんとか、一部の飲食店だけで御土産屋さんは全滅に近い状況やんけーー!(>_<)。糞、未だ開いている御土産屋さんへ土産を物色序でに、何でこんなに通りの店が閉まるのが早いのか訳を聞いてみないとねー! 「何で堺町通りの御店は、こんなに閉めるのが早いのですか?」 地方土産の定番、御当地の地名が入った『提灯(小樽)』を買った土産物屋の女将さんに尋ねてみると、「北一(北一硝子)さんの御店の営業時間が午後6時までだから、それに皆合わせているのよ」と教えてくれました。成る程ね、そう言う事か。道理で、先程バイクで通った時に一杯居た観光客が、今は全く居なくなって閑古鳥が鳴いている状況なのも納得出来たわ。それにしてもなぁ、せめて午後7時位まで営業しとけって!(笑)。夏の午後6時なんて、お天道様も空で御仕事しているやん!(笑)。まぁ、こうして一度痛い目に遭って措けば、次からは早い時間帯に訪れる様に学習済みやからね。チクショー、来年必ず全部の土産物屋を見てやるからなぁー!(叫)。こうして、人気の無くなった堺町通りで吠える私を宥めるオヤジさんと一緒に、またトボトボと通りを歩き始めたら、一軒、営業中の御店に出会いました。店の表で客引きらしいオバサンに「夕食は御済ですか?お寿司は如何ですか?」と声を掛けられてね。お土産を買う序でに夕食も此方で御店を選んで済ます予定だったから、お寿司の値段とかも気にはなったけれど、どんな御店なのか興味の方が先に起ったので、取り敢えず入ってみることにしました・・・・。その後、如何だったかは、再び同じ御店が今年も「登場」してくるので、その時に合わせて御話しますね〜♪ 小樽オルゴール堂で特にコレと言った収穫が無かった私達は、次に同じメルヘン交差点に面した『ルタオ』って有名な洋菓子店へ移りました♪ふっふっふ、ここで私は今年の北海道バイクツーリング計画を練っている段階から考えていた「ある行動」に必要な物を買います。ある行動とは何か?まぁ、この後の展開を見て頂戴〜♪(^-^) 『いらっしゃいませ♪』 洒落た店内に入った私は、美味しそうな生ケーキが陳列されたガラスケースの前に立ち、旬の果実を使った物を中心に何点かケーキを選びました。ここで店員の女性スタッフに「御持ち帰りに掛かる御時間は?」と、ケーキ屋さんで尋ねられる定番の質問を受けて、瞬時に「24時間」と答えました。予想外の言葉を受けて、「エッ」と一言だけ発した間々、固まってしまった彼女・・・(笑)。「冗談ですよ、3時間です♪」って直ぐにフォローして、変な冗談を言う客だなって表情を浮かべる彼女から保冷材入りのケーキが入った包み箱を受け取って店の表へ出て行きました〜♪ 「"本当"は、オマエの言った事って冗談や無いもんなぁ・・・(笑)」 「普通に考えて、北海道小樽市の御店で買った生ケーキを、兵庫県姫路市の"自宅"まで態々持って帰って食べようとするバカが居ると思うかい?実は、ここに居たんやでえ〜♪(笑)」 もう御分かりですよね。そう、実は私、そんなドアホな事を企んでいたのです(笑)。「態々、そんな事をしなくても、アンタ達は其処で食えるんじゃないの?」って思われる方も大勢いらっしゃるでしょうね。ええ、その通りです(笑)。イート・インのコーナー(喫茶)も併設されていますから、ルタオで出来立ての生ケーキを其の場で頂く事が出来ますもの。では何故、そんなリスクを承知の行動に打って出たのか。実は、家で留守番をしてくれている母や姉のお土産なんですわ。彼女達も、2003年春に初めて北海道へ母娘二人で訪れた際に小樽へ訪れて、ルタオにも立ち寄りケーキを味わったそうです。シェフで在り、パテシエでも在り、そしてソムリエールでも在る姉の舌を唸らせたルタオのケーキ。旅から戻ってきてからも「ルタオのケーキ、また食べたいな」と思い出す度に良く口にしていた言葉を覚えていた私は、彼女達を喜ばせてあげようとコノ企みを考え付いた。オヤジ以外には勿論『内緒』です。持ち帰る手段は既に有るからね!例の簡易クーラーボックスを使います。現在、畠山支配人から頂いた赤ワインが一本収納されているだけの状態ですから、カットされたケーキが6個入りの紙箱なんて楽に追加収納出来ます。そして、鮮度を保つ為にルタオで入れて貰った保冷材のドライアイスなんて直ぐに融けてしまうから、帰りのフェリー乗船前にコンビニでも寄って保冷用の氷袋を買うつもりさ。ね、持ち帰りに24時間って言ったのが冗談じゃないって良く分かったでしょう〜♪(呆) ルタオの出入り口脇で売られていたソフトクリームを買って其の場で食した後、向かい側に在る『小樽物産』って青果や海産物を扱う御店へ移動。コチラも2001年、二度目の北海道バイクツーリングから馴染みのある御店でね。その時から、店先で冷たく冷やして売られている「カットメロン一皿」を食べて帰る習慣が付いてしまいました。赤肉種の夕張メロンやアサヒメロンと言った「完熟」した品が格安で食べれてね♪毎年、楽しみにしているんです(^-^)。お隣の店は北一硝子の『ぎやまん倉庫』。通り越しに、艶やかなガラス細工の品々を眺めながら買ったメロンを一言も発さずに親子夢中で頂きました♪(笑)。 その後、来た道を戻りながら色んな御店を覗いて行く内に時は流れ、例の寿司屋の前まで戻って来た頃には午後5時半を過ぎていました。ちょっと、未だ早い気がしないでもないけれど、晩御飯を食べる事にしましょうか。オヤジさんも「OK!」のサインを出しているし、ほな、ボチボチ行きまっか〜♪そうして、私達は『銀の鐘・すし奥尻』へと入って行きました・・・・。 <〜銀の鐘・すし奥尻ご登場!〜> 二階建ての店舗で、一階が小樽の土産物と軽食が味わえるフロア。エレベーターを使って上がった二階が寿司屋のフロアと成って居ります。そして・・・。 「あら?御二人とも"今年"は何時もより"入り"が早いですね♪(^-^)」 入店してきた私達を迎え入れた挨拶も早々に、厨房に立つ馴染み深い女性板前さんから、そんな言葉が返って来た。彼女の握るお寿司の味に魅せられて、北海道へ初めて来た年からコチラヘ欠かさず通うように成った。この言葉で分かりますよね。そう、小樽へ初めて泊まった夜に、堺町通りで客引きに声を掛けられ入った御店が此処だったって訳です。結構、ユニークな御店でね。一応、回転寿司なんですが・・・、そうじゃない。回転寿司の定番「回転台」に乗って回っているのは何と『すしの見本品』で実物は無し?!此れ等や、お客の手元に置いてあるメニューを見て、お客からの注文を受けてから「コ」の字型に作られたカウンターの厨房内に立つ板前さんが寿司を握ってくれるのです。そして、一番のポイントはお寿司の値段。そう、回転寿司の魅力は、何と言っても値段の安さ♪コチラも、その期待を裏切らない御手軽価格で奉仕中♪(笑)。良く回転寿司で見かける、誰も取らないから「ネタの乾いた握り寿司」などが出てくる心配など無用。板前さんと回転台を挟んで差し向かいで握り立てを頂く寿司屋スタイルで、活きの良い新鮮なネタの美味しいお寿司が安い御値段で一杯楽しめちゃいます〜♪ 「帰りのフェリーに乗る時間が変わった影響かな?」(私) 「新しいフェリーになって出港時間が変わりましたものね。今晩に乗られるのですか?」(女性板前さん) 「ええ、それで最後には、お姐さんの握るお寿司を食べて帰らないと北海道へ来た気がしないと思ってさ♪」(私達) 「まぁ、嬉しい♪良いネタが一杯揃っていますから遠慮無くどうぞ!」 さり気無く機嫌を取る事を忘れない私(笑)。冗談抜きに、めっちゃ美味しいから通っているんだもんね。さてと、最初に頼む品は毎度恒例の『アレ』から行くか・・・(^-^) 『イカソーメンとサッポロ・クラシック生ビールを二つ♪』 そう、ここのイカソーメン。結構値段の割に、ボリューム一杯で大好き♪コイツを味わいながら、北海道限定の生ビールで「乾杯♪」と親子で始めて行くんだなぁ。通年固定のメニュー以外に、季節限定や当日のみのネタなどが店内に張り出され、それを見ながら、板前さんとの会話を楽しみつつ各自のペースで注文を繰り返して関西で食べれない旬のお寿司を味わう。中でも「生サンマの握り」「生ホッケの握り」「生ニシンの握り」なんて、絶対姫路では食えないからね!(笑)。特に、ホッケやニシンなんて、開きや加工品ばかりで新鮮な生魚は手に入らないしさ。うーん、どれも癖の無い、身に脂が乗っていて絶品さ♪シャリの加減も絶妙で、口の中でネタと程好く絡んで消えて行く。ふう、親子共々、ホンマに遠慮無く寿司皿を重ねて行きました〜♪ヨシ、それでは『締めの一品』を注文しましょう・・・。 『お姐さん、カニ汁を二杯下さい♪』 そう、寿司を食った後に楽しむ最後の一品がこれ♪結構、大きな器に「タラバガニ」の足や胴体部が一杯入った具沢山の味噌汁です。昼に市場で食べた毛蟹の味噌汁とも違った風味が好い感じ。嗚呼、めっちゃ美味いー!ご馳走様でしたー!「また、来年の夏に来ます!(私は秋に再び来るかも)」と、満腹感一杯で御別れの挨拶を板前さんと交わしてバイクへ戻り、ルタオで買った生ケーキをパニアケース内の簡易クーラーボックスへ収納。私達は日の落ちた小樽の町を再び移動して行きました・・・・。 <〜さようなら小樽、そして、夏の北海道バイクツーリング2004!〜> 小樽メルヘン交差点を経て小樽運河の通りへ出た私達は、そのままバイクを小樽フェリーターミナルへと向けた。其処から僅か数分でフェリーターミナル前まで戻ってきた所で、3日前の夜にキボシカミキリ&18年熟成純米吟醸古酒の保冷用氷袋を買い求めた例のローソンに立ち寄って、先程言った通りに今度は『ルタオの生ケーキ』の保冷用氷袋を購入しました。ホンマに、この生ケーキが実家まで、暑い真夏の行程を経て、鮮度を保てるのか・・・・。相変わらず、アホな試みが好きな私です〜♪(笑) クーラーボックスの底に氷袋を置き、その上にローソンで貰ったウレタンのシートを重ねて敷いた上で、ルタオのケーキが入った箱と頂いた赤ワイン「北のほたる」ボトルが水平になる様に配置。更にクーラー内の残った空間をタオルとか軽い衣料品で埋めて措く。こうして措けば、赤ワインのボトルにケーキが潰される心配は無いし、崩れ易いケーキの形を保持するのにも有効に働くでしょう。今晩、出港するフェリー乗船に間に合わせる為に、バイクの集団が続々と港へ押し寄せて来ていた。私達の他にも入れ替わり立ち代わり、フェリーターミナルに面したローソン目当てに遣ってくるライダーが後を絶たない状況。さてと、それでは北海道「ラスト・ラン!」と行きますか! 「ズドドドドドーー!」「ブオオォォオオオンーー!」 もう、この二重奏が夏の北海道で今年響かせる時間も残り少なくなってしまった。フェリーターミナル内の二輪乗船待ちスペースまで移動した私達。時刻は午後7時を過ぎたところ。乗船開始は午後10時からと、新日本海フェリー係員から告げられた。結構、夜の港が蒸し暑かったので、久々にタンクバックから「阪神タイガース2003セ・リーグ優勝記念V扇子」を取り出して優雅に扇いで涼む私。このV扇子は前にも述べた通り、阪神タイガース2003セ・リーグ優勝記念Vセールで、私が勝ち取った貴重な限定品(笑)。実は私、Vセールの時に扇子を『2本』ゲット出来て、その内の1本を北海道の虎キチにプレゼントしたんです。だから、帯広に居た時に「現時点で、北海道に2本存在する」と語った訳。あの時に教えなかった、もう1本の持ち主は・・・・。何と久保商店、米工房の久保元宏さんだったのです♪彼、巨人ファンが多勢を占める北の地で貴重な「アンチ巨人!(笑)」「大の阪神ファン」なのです。知り合って間も無く、互いに「コテコテな虎キチ♪」と知った私達は、後のタイガース・フィーバーで意気投合♪(笑)。それが、今日へと続く御付き合いの流れを生んだと言っても過言では無いと私は思います。時間潰しに、自慢のデジカメを持ってフェリーターミナルビルへ消えて行くオヤジの姿を見送った直後に私の携帯電話が鳴り響き、誰だろうと思って出てみたら・・・。 「もしもし、原田さんですか?帯広の杉山です♪」 帯広を訪ねた際に御世話になった「ますやパン」社長の杉山輝子さんからでした。今日の夜に、確かフェリーに乗って帰られると聞いていたので、今、どの辺りに居るのか確認しようと思って電話を掛けてこられたそうな。電話に出てから「今(バイクの運転)は大丈夫ですか?」と私に確認してくる彼女の言葉に笑いを誘われながら、御世話になった夏の夜の思い出を語り合いました。そして、彼女にだけ、秋に再び訪れる事が出来るかも知れないと打ち明けて電話を終えました。「お待ちして居ります♪」と喜んでくれた輝子さん。実際、今の時点で行けるか如何かも分からないって言うのに、変に期待させちゃった気がしたなぁ・・・。ふふ、まぁ、良いか。頑張ろうっと♪ オヤジさんも輝子さんとの電話が終わった直後に戻って来て、一緒に乗船待ちしていた他のライダーさん達と今年の北海道ツーリング談義に花を咲かせていた午後8時半、遂に小樽港フェリーターミナル岸壁に「フェリーあかしあ」が到着!そう、行きで乗船した同じフェリーに帰りも乗る。話の冒頭で言った通りの展開ですね〜♪そうして、舞鶴から乗船して来た旅客の下船が始まった。車やトラック等、四輪車全ての下船が終わった後に、バイクの下船が始まる。様々なエンジン音を響かせながら、港を離れて小樽の町中へ消えて行くライダー達。3日前の自分達の姿が其処に在った・・・。何時も感じる、寂しい様な切ない気持ち。北海道を去る実感が、この胸に押し寄せてくるのでした。そして午後10時過ぎ・・・・。 『只今から、バイクの乗船を開始します!』 その掛け声と同時に、親子互いに鋼鉄の愛馬に跨りエンジン始動! 重なり合うエンジン音は、親子旅のエンディング曲となって小樽の夜に響き渡る。そして、係員に導かれる間々、再び白い大きな船体の懐へ消えて行く「ZZ−R」と「ソフィテールデュース」。カワサキとハーレーダビットソン、この大型バイク達も、私達を無事実家まで送り届けるお役目だけを残して北の旅は終わった。車両甲板に駐輪した後、宿泊部屋へ移動した私達は、部屋のデッキに出て夜風に当たりながら売店で買ったビールを飲みつつ、出港までの一時を過ごしました。 「今年の夏の旅も遂に終わりだねぇ・・・」(私) 「そうやな。今年も"色々"と楽しい旅やった・・・」(オヤジ) 「何か含んだ物言いやんけ(笑)」(私) 「まあな(笑)、でも、コッチの連中は良い人ばかりやったな♪」(オヤジ) 「うん、そうやね♪彼等にまた会える様に、来年の夏も北を目指しましょう!」(私) 「嗚呼、勿論や!」(オヤジ) そして、小樽の夜に鳴り響く、出航の時を告げる船の汽笛・・・。 フェリーあかしあは錨を上げて、静かに岸壁を離れて行く。美しい小樽の夜景が少しづつ遠ざかって行く姿を見送りながら、過ぎ行く夏の思い出に浸る私達でした・・・・(完)。 <あとがき> 長々と続いたと言うか、続けてしまった2004夏の旅エッセイも漸く終わらせる事が出来て、今はホッとしているって言うのが素直な心境かな(笑)。本当は、御話全体をもっと短く纏めたかったし、自宅に帰り着くところまでを書くつもりでした。でも、第一章の逆走バージョンで面白く無かったから止めました(笑)。ただ、例の持ち帰る予定でクーラーボックスに入れた「ルタオの生ケーキ」のその後が気に成る方も居るだろうと思うので、その結果だけお伝えしますね。見事、自宅へ新鮮な間々、ルタオの生ケーキ達は、我が家の食卓へお届けに『成功』しましたよ〜ん♪姉も母も吃驚していましたわ♪「ありえねー!」って叫びが見物でしたよー!(笑)。ツーリング、本当に楽しい思い出となりました。準備段階から楽しめたし、キボシカミキリ達にも感謝やね♪(笑)。 さて、この年の北海道親子旅はこれで終わりましたが、私個人の旅は未だ終ってないのさ。そう、宣言通りに2004秋の北海道バイクツーリングを決行出来たのです!必死で仕事の調整やら、オヤジ様や家族の説得を続けてね(笑)。何とか時間と旅費を捻出する事が出来たので、紅葉の北海道へ初めて繰り出せたと言う訳。次回エッセイは、2004秋の北海道バイクツーリング、気軽な一人旅を紹介して行きます。 それでは、またねー! 2005年1月20日記 風の旅人より |